日本人ならJIS配列、JIS配列以外は選択すべきでないというような考え方の主張があるが、これは全く意味がない。唯一かな入力をするならJIS配列、というなら概ね正しい。
国内ではマイノリティなUS配列に対する誤解は大きく、その最たるものは【Alt】+【`】でのIMEオンオフが現実的でない、という点と、Enterキーが小さい、というものである。
IMEのオンオフは、JIS配列キーボードでは【半角/全角】キー単一操作で、US配列だとコンビネーション操作になる。【`】はJISでいう【半角/全角】と同じ位置であって、ただそれが【Alt】と組み合わされるだけ、【Alt】+【`】はそれなりに考えられた組み合わせなのである。ホームポジションから手を離さなければならないが、位置的に操作しにくいということはほとんどない。
コンビネーション操作のほうが明示的にその操作ができるので、単一キーで起こりうる誤打鍵は起きないと考えると、むしろ利点である。切替が面倒という理由でUS配列を選ばない理由とするのは勿体ない。【Alt】+【`】はあくまでも標準の割当であるから、IMEの機能で【Ctrl】+【Space】などに変更したら良いのである。
もう一つは、Enterキーが小さいというものだが、これは形状が異なるので小さいとか大きいとかの問題ではない。縦2段を占有するJIS配列のEnterキーのほうがむしろ異質だと感じるのであるが、US配列のEnterキーは横長形状でホームポジションに1列分近く楽に打鍵できるという特徴があり、小さいという観点でのデメリットには同意しがたい。
この形状のEnterでミスタイプをするというなら、正しい打鍵が身についていないというだけである。
だが、その配列、キー数の違いでUS配列ではJISかな入力のキーがJISと同様の位置に割り当てることが出来ない。普通なら右下にあるキーが、右上の余分なところに配置されたりと、かな入力の重要な配列自体がUS配列だと変わってしまうので、この場合はカスタマイズも難しく、US配列が妥当ではないというのはある意味理解はできよう。