AOURで促音

投稿者: | 2021-11-13
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このところ、あまりAOURに関する記事は書かないようにしていた。おそらくそういうニーズがないだろうからということで、ニーズを気にして記事を書くか書かないかを決めているわけでもないが、実際普通に使っているので、それを特に示す必要がなかったというせいもあるのである。

AOURとは

AOURとは、リンク先の解説のとおり、Dvorak配列をベースにした行段形式、すなわち子音と母音の組み合わせによるかな文字入力の方法である。他の同種入力方式をベースにしたり参考にしたりして、自分がATOKで使えるように定義を作ったものである。
こんな変わった入力方式を好んで使う人などほぼ居ないと思うが、少なくとも自分はこれで15年くらいやってきていて、今ではローマ字入力より格段に速く打鍵できるようになっている。

速く打鍵できるのは、ローマ字入力より打鍵数が少ないからで、その仕組みは二重母音や撥音節などに特定の定義を割り当てているからである。他にも、Dvorak由来で母音を左手ホームに集中させることが出来ているので、効率的な打鍵がある程度出来るのではないかと思っている。研究者ではないので、深くそれを測定したりした実証的な根拠などはなにもない。ただ、特定の音節に定義を割り当てている関係上、ローマ字入力よりもずっと覚えるべきルールは多くなっているが、指がそれを覚えてしまえば、自然と手が動き、結果として快適な打鍵が実現できるのである。

そのためには少しの訓練が当然必要であるが、ローマ字入力とブラインドタッチが出来る人であれば、そんなに時間を要さなくても習得できて、乗り換えることも可能ではないかと思っている。

促音の入力

さて、そんなAOURでの入力においては、促音「っ」は独特の入力方式となっている。ローマ字入力では、直後の子音キーを重ねて打鍵するが、AOURの基本入力ルールにおいては、「っ」専用のキーが割り当てられていて、それを打鍵することによって促音を入力する。これが高速化に繋がっているかどうかはわからないが、これは他の入力方式でもそういう手法が採られている。
だが自分は、その専用キーを使っての促音入力を使う頻度はそう高くない。なぜなら、促音を含めた「促音節」と呼んでいる特定の綴りに、定義を割り当てていて、それを使っているからである。オリジナルのアイディアではないが、それを参考にさせてもらって取り入れ、もう少し拡張している。

具体的には、促音+カ行、サ行、タ行、パ行にそれぞれキー定義を割り当てている。
「切手」「コップ」「喫茶」「括弧」など促音の次にこれら行の音が来る綴りに定義を当てているということである。
例えば「切手」なら、「き」の綴り「ig」を入力した後に「pe」を入力する。「igpe」の4打鍵で「切手(きって)」が入力できる。ローマ字入力なら「kitte」と5打鍵。促音節入力を使わないAOURでも「igzke」と5打鍵だ。

僅か1打鍵の差と思われるだろうが、これが文章全体ではどれだけ差が出るか、打鍵数は少ない方が手の負担も少ないし高速に打鍵できる。無論、打鍵数を言うならJISかな入力のほうが少ないと思われるだろうが、JISかな入力は4段のキー全て使うのに対し、AOURはローマ字入力同様にアルファベットだけなので習得するキーも少ないし、指の移動範囲も少なく、結果として負担が少ないのである。
それなら親指シフトや新JIS配列など、3段のキーだけしか使わない入力方式もあるではないかと言われるが、おそらくその方法ほど高速にはならない。検証はしていないが、あとはシフト操作がどう関係してくるかという所である。

もちろん、そういう綴りに一々定義を割り当てているので、定義数は550近くと、ATOKで登録できる限界に近いくらいはある。それだけの定義を全部覚えられるわけがないと、まだやってみる前の人は思うのだが、それなりに体系整理はしてあるし、実際覚えるのは指の動きというか、身体が覚えるので、想定しているより負担にはならないのである。
新たに習得せよというつもりはないが、こういう方式により打鍵が楽になっているのは自分としては間違いない。