新プリンタ

投稿者: | 2021-11-20
inkjet

少し前の記事でも書いたが、不満を持ちながらも10年使ってきたプリンタがとうとう寿命に達したので、新機種に買い換えた。
10年も経てば、様々変わっているところ、進化しているところもあるだろうと、まだ使い始めながら期待している部分はある。
概して言えば、前機種はフラッグシップ機の位置づけの物であったが、今回はスタンダードな機種にした。使用頻度や使用状況からすると、それで十分、それで妥当と考えたからである。

基本仕様

まずは大きさが異なる。前機種はそれなりに大きく、スペースを取っていたし、重量としてもカタログスペックでは9kg超えである。新機種はそれに比較するとかなりコンパクトで、設置面積はA3サイズにも満たないくらい。重量も6kg強で、前機種とくらべると随分軽い。
前機種はプレミアム機種的な位置付けでもあって、ボディが光沢で格好が良い。そのボディに直接触れての静電操作が特徴でもあった。これのタッチ操作は軽快でスマートで操作もわかりやすく気に入っているが、今回のは普通の物理的なボタンである。実際これで十分である。
液晶の表示部も前機種は3インチ程度のカラーだったが、1点だけドット欠けがあってそれが最初の段階からハズレ品というか、嫌な感じだった。新機種は液晶も1.5インチ程度でカラーではないが有機ELとのこと。表示される文字も小さくて見づらい部分はあるが、そんなに頻度高く見るわけでもないので、その程度で十分かも知れない。

インターフェース

前機種はUSBメモリやSDカードを直接挿入してそこから印刷したり、スキャナーで取り込んだPDFなどのデータを保存することも出来たが、今度のはできない。それを使ったのは数回程度だから、無くても問題ないだろう。
接続方式は新旧両方ともWi-Fi、USB接続に対応している。旧機種はそのほか有線LAN接続もできた。自分も当初は有線LANで接続していたのであるが、そのうちにWi-Fi接続するようになったので、今はあえて有線LAN接続はなくても良いと思う。
また、新機種のWi-Fiは2.4GHz接続に加えて5GHzでの接続が出来る。今までプリンタ接続のためだけに2.4GHzを使っていたので、5GHzで使えるのはルータで2.4GHzを出さないようにして僅かながら節電と、無駄に電波を放出しないで済むのは良い。

自動動作

新機種では、自動電源オンオフがあるのが面白い。PCからの印刷操作により自動的に電源が入る仕組みで、待機状態になっているのであろうとは思うが、Wake on LANのような機能なのかもしれない。旧機種にはそのような機能は無かった。
また、排紙トレイが自動で出てくる。これは旧機種でも排紙トレイ部の蓋が自動的に開いた。新機種では電源オフ時に手動での操作の場合は、トレイを自動で収納してくれる機能もある。
便利なのだが、自分としてはこのような機器の外形が変化するような動きが自動で行われるのは、何となく生き物を見ているようで正直なところ少し気味が悪くもある。

解像度と機能

そのほかスペック的には、解像度が前機種では9600dpiだったのが4800dpiとのことで、スキャナの解像度も新機種の方が低いことになるが、おそらく出力結果、印刷物の見た目や実用的には問題がないくらいであろうとは思う。
両面印刷は新旧両方とも対応で、背面トレイもあって厚めの用紙も印刷しやすいが、新機種ではトレイ印刷、DVDなどのラベル印刷はできない。旧機種は購入した頃にテレビの地上波デジタル化に併せてブルーレイ録画もよくしていたので、そのラベルを印刷するのに重宝したが、当面今はすることがないので、機能としては削って良いと思い、非対応の機種にした。

インクの違い

前機種は6色独立インク、新機種は5色独立インクという違いである。
6色機の前も5色機だったのだが、その結果の差は自分としては全く違いを感じることが出来ず、自分にとっては6色インクということではオーバースペックだった。5色インクのもので十分である。
前機種6色の場合、インクを一つでも交換する度に全色の吸い出し操作が行われたり、あるいはしばらく使っていなかった後のメンテナンスでも6色全色が一つずつ操作されるので、使えるようになるまで5分くらいもの時間を要し、この点も不満の一つだった。これは、5色インクの新機種でどのくらい改善されるのかは、まだ使い始めなのでわからない。

そういうインクのメンテナンスのための吸い出しで、ずいぶん前機種ではインクを浪費されているように感じ、使っていなくてもすぐにインク交換の警告が出て、それが高コストの印象を持っている。これもまだ新機種ではどのくらいなのかわからないが、インク数が減ったことでの違いはあると思っている。
しかしながら、新機種で使うインクカートリッジはこの機種だけしか対応機がないので、製造コストもまだ高く、全色セット分の価格では前機種インクセットを上回っているところが気になる。1枚辺りのコストも前機種、他機種と比較しても結構高い。
インクは互換品が出たり、他にこれを使用する機種が出たりすると価格・市場価格が変わると思われるが、少し辛抱する必要があるかも知れない。
とはいえ、大量にインクを使うような使い方ではないので、影響はさほど大きくないと思っている。

全体として

旧機種は割と頻度高く印刷する写真を綺麗に印刷できるような6色インクでスキャナやコピー機能もある複合機を、とのことで購入した物だった。写真の綺麗さはその前に使っていた機種と差は感じず、多機能も十分に使ったとも言いがたい。ドット欠けに始まって、インクの充填速度やメンテナンス動作の頻度など、不満も多かった。
新機種は特別なプレミアム感はなく、コンパクトかつ標準的な機能のものという感じではあるが、今の自分の使い方としてはそれで十分である。使っているうちに何らかの不満も生じるかも知れないが、前機種と比べて安価でもあるので、そういうものだと思えばそれまでである。他にもQRコードを使ったりしてスマホからの操作がしやすくなっているなど、最新の機能を備え、新しい機種を使っているという感覚はある。
使い始めて間もないので、それが今後どうなのかというのはもう少し時間が経たないとわからないが、妥当な選択だと思いたいものである。

前後の記事を見ればわかるかもしれないが、あえてこの記事には新旧の機種は書かないことにしておいた。