ワープロソフトでの文書スタイルは、初期値で40字40行くらいが標準で、フォントは明朝系、サイズは10.5ポイントが標準になっている。一太郎もWordも、概ねそういうのが標準になっていて、余白は30mm程度が確保されている。
自分の場合、その標準の文書スタイルはあまり気に入らないので、初期値を変えられる場合については、自分の好みのものに変更してしまう。文書の規格が決まっている場合はそれに合わせるが、決まっていない場合はだいたい自分の感覚で変えてしまう。そのくらいは好きにやって良いだろう。
A4用紙で、まずは印刷領域を好みのものにする。上下余白は22mmくらい、左右の余白は20mmがバランスとして丁度良い。初期値の感覚からするとこれはきっと余白は狭いということになる。ホチキスなどの留め具を使ったり、あるいは製本したり、穿孔機で余白に穴を空けたりする場合はこの余白では狭いとされる可能性も高いが、綴じるのに支障が出るという程でもないだろう。1枚の用紙として見た場合の自分の感覚では余白と文字領域との比率がこれで丁度良い。
そういう余白設定、印刷領域設定にすると、標準のフォントサイズ10.5ポイントでは、1行40字で余りが出る。43字くらいが丁度良いという事になる。それでも問題はない。だが原稿書きなどにおいてはそれだと字数が中途半端になってしまうので、40字にしたい。
そうなると、フォントのサイズは10.5ポイントではなくて12ポイントが妥当という事になる。原稿の場合は、そのサイズを標準にしても読んだり校正したりするのに都合が良いので、そのフォントサイズで設定することにしている。
原稿用の文書スタイルの場合は、テキストエディタ風に行番号を付けたりして、それを印刷にも反映して、まさに原稿風のスタイルにするのが好みである。
テキストエディタでは、行番号印刷も普通に出来る。
実のところ、標準のA4サイズよりB5サイズのほうが好みである。上記のバランスで言うとB5サイズに1行40字は困難で35字くらいになるが、用紙の大きさ、取り扱いとしてはB5が一番心地よい。今でもノートや手書きの用紙などはB5のもののほうが主流であるはずだ。
25年くらい前だったか公文書などでA4が標準と決められて、今ではもう文書としてはA4が当たり前になり、コピー用紙などもB5は流通量が激減してしまったのは寂しいのだが、A4に統一するというのもまたそれは意味がある。
ともかく、自分としての標準はそれで、あとはヘッダに見出しやファイル名を入れたりページ番号を入れたりする。特にインクジェットプリンタの場合、ページ番号をフッタに設定すると、そこだけ離れて印刷の必要が生じたりするのが無駄に思えて、ページ番号はヘッダに入れるのを標準にしている。
印刷のフォントも、ワープロソフトの初期設定では明朝系のフォントになっている。自分もかなり以前には、本文フォントとしてはそれが標準で、ゴシック系フォントは強調で使う物という感覚であったが、いつしか明朝系は文芸作品などの情が入ったような文章のためのもので、感情を差し挟まない事務的機械的な文書についてはゴシックのほうが合っているのではないかと思い、それを標準にしている。
また、ワープロソフトの初期値はプロポーショナルフォントになっている。これは、そのほうが印刷時に美しく表現されるということなのだろうが、これも、自分は等幅フォントのほうが好みで、初期値設定を変更してしまう。
等幅フォントの方が、1行の文字数設定がきちっと生きてくるし、印刷したときも縦方向に文字位置が揃っていて気持ちが良い。半角文字を入れた場合はズレるとしても、やはり日本人の感覚では上下左右、きっちり揃っているのが理想で、おそらくこれは原稿用紙の発想からきているのかもしれない。
ちなみに、テキストエディタでの表示フォントも等幅のものでなければダメで、ワープロソフトでの表示や印刷設定も、等幅を基本にしている。
フォント自体は、MSゴシックが標準ではあるが、それだと昔から今まで標準過ぎて面白みはないので、エディタでの表示・印刷フォントはまた別の物、Miguフォントなどを使っていたりする。
他人が作成した文書が、ワープロソフトの標準の文書スタイルと思える場合は、この人はこういうことに美的な拘りがないんだなと思うし、自分とは違った感覚の余白設定、フォント設定だったりして、それに意見が及ぶ場合(部下が作成した物だったりする場合)は、ついそんな文書スタイルも含めて修正を指示したくなるのである。