純正と互換

投稿者: | 2021-11-27
color ink

改めて考えてみると、その時の考え方により純正品が最良でそれ以外使わないと思ってみたり、互換品で十分と思ってみたり、実はそんなに確固たる思いがあるわけではない。
万年筆のインクも、万年筆メーカー純正のものを使うのが基本と知りつつ、他のインクも入れてみたりするのであって、もちろん使用は出来るが最終的にはやはり純正インクが一番安心という結果に至っている。PILOTの万年筆にはPILOT純正のインクを使っている。

万年筆のインクは、PILOTだと30ml入りのボトルでだいたい400円、70ml入りのボトルでも1000円くらい。他の舶来メーカーでも50mlで1000円くらい、もちろんもっとずっと高価なブランドのものもあるが、普通のものならそのくらいで、妥当な価格と言える。カートリッジタイプでも、1ダースが400円くらいだから、瓶のインクに比較すると高いが、さほど負担になるほどの物でもない。

ところがこれが家庭用プリンタのインクカートリッジということになればまた話が違ってくる。インク独立タイプのもので純正品だと、1色1本で1000円かそれ以上。万年筆インクとそんなに違わない染料成分と仮定して、万年筆ならカートリッジ数本分くらいか。カートリッジも数mlの容量らしく、単純な比較にはならいとしてもとにかく高価である。そういう商用スキームとは言え、このモデルに不満を持っていない消費者はいない。
なので、互換品とか詰替の市場も発達してくる。有名メーカー無名メーカー、あるいは中華製など、純正品の7~8割の価格かそれ以下、無名品なら全色合計でも数百円などという破格のものまで出現しているようだ。

互換品は、見た目の品質はさほど純正品との差がないものもあるが、粗悪品もあると思われ、少なくとも成分が異なるのでやはりインク詰まりの原因になるらしく、もちろん互換品などを使ってしまうとメーカーの保証も受けられないことになる。
そういうリスクを冒してまでも使う人は少なくないほど価格差は歴然としているし、何よりきちんとした家電量販店でも堂々と互換品や詰替インクが売られているのであるから、それを使おうという人が少なくないのも理解はできる。

実際自分はどうなのかというと、プリンタ購入当初しばらくは純正品ばかりを使っている。純正品の品質がそのプリンタでの印刷にとって最良であるのは言うまでもないことであるからで、特に写真の品質を考えた場合は、純正品以外の選択はないと思っている。
購入から時間が経ち、少なくとも保証期間が終わり、あるいは当該モデルが製造中止になっているとか、もう買い換えを検討する時期とか、故障しても仕方がないと思える段階では、互換インクを使うように方向転換してしまっていた。
価格の違いに惹かれるところが大きいが、違った物も使ってみたいという興味もある。

そういう互換品を使ってトラブルがなかったかというと、まず印刷に関しては、互換品の使用でDVDラベルの印刷で特定の色だけ発色しなかったということはあったが、それ以外、普通の印刷についてはほぼ問題はなかった。同じ要件で比較していないのでわからないが、色味の違いはあったのだろうと思う。
機構に関しては、ちょうど詰替インクを使っていたときだったか、明らかに内部で吹きこぼれのようなことになって内部を汚していたようなことがあった。カートリッジからのインク漏れではなさそうなのだが、内部全体、こんな所にインクが着くかというところまで汚れていたことがあった。

以来、詰替インクを使うのはやめた。次のプリンタではリサイクル品や互換インク製品は使ったが、これも気付かぬうちに内部がインクが汚れていて出力する用紙に汚れが付着したりもしていた。互換品が原因なのか、本体そのものに問題があって純正品でも起こりうることなのか、あるいは印字後の用紙の乾きが不十分だったなどの理由なのかわからないが、とにかくそういう状況である。
それでも、前のプリンタは購入から10年11年くらいは概ね正常に使い続けることが出来た。インクに起因する故障ではなく、廃インクタンクの満量警告で寿命となったので、互換インクを使い続けたから必ず故障するということでもないとは思われる。

それでも、安心して使うならば少々インクのコストは必要であっても純正品を使った方が良いのではないか。大量に印刷をするような場合ならコストも問題になるが、そんなに頻度高く使用するわけでもないのであれば、純正品のコストも目を瞑れるくらいの気持ちになるべきである。そんな部分で節約して故障の心配をしながら使うよりも堂々と純正品で行く方が良いのではないか。
毎回、プリンタを買い換えると使い始めの頃にはそんな風に思う。

純正用紙

プリンタのメーカーは当然、インクに関しては純正品を強く推奨する。却ってそれが利用者の懐疑心を煽るような気もするが、用紙に関しては非純正のものに対して厳しくはない。
非純正の用紙とはつまり、メーカー以外から発売されている各種の用紙のことで、一般のコピー用紙も含めると、選択肢はどれくらいあるかわからないほど多数ある。

純正の用紙がないということではない。写真用紙も普通紙も、あるいはラベルやシール、葉書や名刺用紙なども大手2社は純正の製品を発売している。
そういう状況であるのに、それ以外の用紙を使うことを強く禁止はしていない。純正以外の用紙を使ったからといって保証の対象外とするようなことはないのだと思われる。
用紙に関してはプリンタのビジネスモデルの中に組み込まれた物ではないので、好きな物を使ってもらっても構わないということか。価格に関しても、純正も非純正もそんなに差はない。

自分もこのところしばらくは、純正用紙の存在を忘れて普通紙に関してはホームセンターで山積みされているようなものを使っていたりした。
純正品と比較しても、用紙の白色度や厚さ(坪量)に関係する仕上がりの違いはあるものの、それ以外の要因による品質の差としては乾きの時間の違いなどが関係してくるかどうかというところである。
写真用紙に関しても基本的には純正品の用紙を使っていたが、写真用紙専門ブランドの品のほうがむしろ純正品より高品質なのではないかと思ってそれを使ったりもしている。

なので、要するに純正以外の用紙を使っても基本的には問題なしと思われるのであるが、保証の有無は関係なく純正品用紙を使っていることの安心感というのはやはりインクの場合と同じ気がしてきていて、汎用品と比較して少し高くても純正の用紙という選択肢はあっても良いのではないかと思ってきている次第である。

純正の用紙にすると、プリンタドライバでその用紙を指定することで、その用紙に最適な印刷設定がされている形になるので、より高品質な仕上がりのものを得ることができるようになると思うのである。
結果を見たところでそれが純正の用紙なのか否かは、専門的な見方が出来る人でなければわからないと思うが、それでも純正品を使っているという満足感は得られるのではないかと思う。