改めて無刻印KBD

投稿者: | 2021-12-05
HHKB-mukokuin

HHKB Professional Hybrid Type-Sの、白配色の無刻印キーボードを使っている。
無刻印キーボードとは、キートップにアルファベットや記号などの刻印が一切無い、無垢のキーボードである。一見、刻印をし忘れたキーボードのようにも思えるが、あえて刻印をしていないキーボードなのである。
なぜそんな、実用性の低くなるようなキーボードを作るのかというと、自分の理解では第一はデザイン的に格好良く、キーの文字列に惑わせられることなく一心に打鍵できるようにする目的である。

MyHHKB
HHKBとRealforceのテンキー

HHKBにおける無刻印キーボードは、だいぶ前から製品として発売されていて、キーボードの配列を全てマスターした人向け、玄人向けの製品、真のプロフェッショナル向け、ブラインドタッチ専用としてラインに加わっていた。
自分が最初のHHKBを購入しようとしたときから、既に無刻印のモデルはそういう位置づけであった。ただその時点では、自分は無刻印は選べなかった。ブラインドタッチは問題なくできたが、HHKBの配列が特殊であることと何よりUS配列もその時点では初めてだったからである。

今は、ローマ字入力ではなくAOURの方式での入力でQWERTYのアルファベットとは無関係なキー配列を使っているし、アルファベット自体の配列はブラインドタッチでほぼ完璧に使えるので、刻印はもう無意味である。CtrlやShift、Enterなどの機能キーについても配列は問題ない。数字と記号は怪しいが、いずれもミスタイプを恐れずに手探りで何とかなる。そう思って、2台目のHHKBは無刻印にした。
単純に言えばUS配列でブラインドタッチが、少なくともアルファベット入力が完璧に出来るのであれば、無刻印キーボードを使っていくことができると思われる。

実際に使ってみるまでは本当に無刻印で使えるのか心配はあったが、特に何も問題なく使いこなすことが出来ている。
最初のBluetooth接続の時のPINコードの入力をこのキーボードでしなければならない時に、数字の位置が怪しかったり、パスワードの入力など間違えられない場合に少しの不安はある。後者のは他のキーボードと併用することで問題ないが、それは本末転倒というものか。

無刻印であることにより困ったということはない。そもそも併用しているRealforceも墨色モデルだと刻印が黒なので見づらく、無いようなものでもある。わからないキーは手探りでその近辺のキーを押下してみることで辿り着くことが出来るので何とかなっている。
カーソルキー操作やPageDownやPageUp、HomeやEndなどもこれは無刻印だからということではないが、HHKBの操作を覚えてしまえばそれまでなので、あえてその刻印が必要ということにはならない。

しかしもちろん、無刻印でなければならないということでもない。刻印があるのが格好悪いとも思わない。自分も全て無刻印キーボードで作業をしているわけでもなく、普通のキーボードとも併用している。
無刻印キーボードがHHKB以外でどれだけ選択肢として有るのか知らないが、ブラインドタッチが出来る人は無刻印キーボードで基本的に問題ない。おそらく支障なく使える。機能の問題ではなく完全に個人の好みの問題であって、多くの人は絶対に選ばない無刻印を使うことで希少価値的な満足感を得たいか、皆が所有しているのと同じ物、汎用的な仕様のもので安心するかは自由である。