今年から、22年版の能率手帳Goldの小型版を使っている。
11月末から使い始めてまだ半月くらいしか経っていないが、存在感はこれまで使ってきたどの手帳よりも大きいと感じている。
自分はこれまで、普通の能率手帳を使った年もあるが、概ねネクサスゾーン、ポケットカジュアル、ライツメモ小型版と変遷してそれぞれ数年ずつ使ってきた。能率手帳Goldの存在はずっと前から知っていたが、1年しか使わない手帳に毎年それだけの費用をかけるべきかというのと、おそらく持っていると目立ちすぎるであろうという気もして、選ばずにいたのである。どういうわけか、今年は来年の手帳こそGoldに切り替えようと思い立ち、ライツメモ小型版で慣れて胸ポケットにも入る大きさが最適と感じている小型版サイズを使うことにしたのである。
Goldは、まず革張りの手触りが良い。滑らかで優しく、手にするだけで落ち着くのは本革製品ならではである。子供の頃、黒い手帳は皆黒革の手帳として革製品だと思っていたが、あれらは全部合皮などで、本当の黒革の手帳はこれである。
初めは高価な革製品手帳なのだからカバーは何年も使い込めるようにして中身の冊子を交換できるようにすべきだろうとも思っていたが、綴じ手帳として1年だけ使って、次の年のはまた新しい革手帳にする、その贅沢さこそがGoldなのであるとわかってきた。
使っていると、とにかく小口の金色が目立つ。カバーに刻印された’22の文字と共に、黒と金のコントラストは国産定番万年筆のカラーリングと同じで、絶大的な高級感がある。開いた見返しの用紙の模様と、Gold専用という淡い黄色の用紙が金色のコントラストを引き立てて、並の手帳とは違う物であることを感じさせる。
中身のフォーマットは一般的なレフト式で、歴史ある能率手帳の標準のフォーマットであって、万人に使いやすい。月間ガントチャートも、最初は使いづらそうと思ったが、そういうものだと思えば逆にそういう昭和感が楽しい。
標準版と比較するともちろん小型版は小さく、書く領域も狭くなるし、印字されている日付やタイムゾーンの数字なども小さくて、段々小さな文字が見にくくなってくる世代では少々気になるものの、1、2週間も使い込めばそれも慣れて、特に問題は感じない。書き切れないこと、補遺は後ろのメモページに委ねる。それでも足りなければ別冊の住所録の後ろページにもメモページはあるし、さらに別冊ノートが2冊付属しているので、これで通常は十分と思える。
カスタマイズ的なことは特にしていない。名入れもしていない。せいぜい、幾つか必要なメモ類を挟み込んだり、貼り付けたりはしている。2本の紐栞も付いているが、以前の手帳からの流れで、だいぶ酸化して赤銅色になっているブックダーツも何個か取り付けている。
手帳に興味を持ち始めた頃、能率手帳Goldはエグゼクティブな人しか使えないものかと思っていた。確かに価格からすると、1年しか使わない手帳にそれだけの費用をかけられるのはそういう人たちであることも考えられるものの、それでも国産の究極の手帳としてそれなりに文具好きなどのユーザも少なくなく、その良さが理解できる人が遠慮無く使えば良いのだろうと思っている。