今では当たり前になっているかな漢字変換の仕組みを知ったのは、ワープロ専用機を使い始めた時だった。
電子的に日本語文章を入力するには読みを入力してそれに該当する表記を選択するという仕組みであるということを知った。それがわかるまでは、単純に文字のライブラリから適切なものを選択してそれを刻印する日本語タイプライタのようなものを応用しているだけなのかと想像していた。英文ならそれで十分と思うが、文字種の選択肢が膨大な和文は、高速に入力するためには別の仕組みになっている必要がある。
キーボードによる文字入力、ローマ字入力とかな入力の仕組みを知ったのもワープロ専用機を使い始めた時で、つまりは自分の電子的な和文入力の基礎のようなものは、ワープロ専用機と共に始まったとも言える。
PCを使うようになる際に、事前に調べてかな漢字変換、FEPの仕組みはワープロの一太郎に付属しているATOKが最良だろうと知る。まだMS-DOSの時代で、当時は他に有名な物で松というワープロソフトに付属している松茸もあって、これも使ってみたかったところなのであるが、そんなに幾つも揃えるようなことは困難であって、ATOKを使うところから始まるのである。
そのATOKは、その頃からずっと継続して結局今でもATOKは使っていて、今でも最良の和文入力のかな漢字変換の仕組みである。もちろんこの文章もATOKのかな漢字変換を使って入力している。
使うキーボードに関しては、PCのハードウエアと共に、それから様々変遷している。
PC-98のキーボードから、ノートPCのもの、富士通のキーボード、会社のPCのキーボードも含めるべきか、東芝Dynabookのキーボード、VAIOのキーボード、Thinkpadのキーボード辺りからは外付けの独立したキーボードをメインとするようになり、FILCOの黒軸茶軸赤軸、HHKB、Realforceと使ってきて、だいたい今はHHKBかRealforceを使い分けるという具合である。
静電容量無接点スイッチで、静音タイプである。これが心地よい。
キーボード入力に関してはもう一つ、和文入力を何方式で行っているかということも自分にとっては重要である。
キーボードを触った当初は刻印にあるとおりのJISかな入力を使ったが、完全に習得する前にローマ字入力のほうが便利そうだったので、その方式に切り替えた。当時はかな入力のほうが標準的な扱いだったが、やがてローマ字入力が席巻するようになって、それは当然だろうと思っていた。ワープロ専用機の頃は他に親指シフト方式も一定のシェアがあって、どの方式が一番良いのかと議論されるのが面白かった。
自分も永くローマ字入力を標準的に使っていたが、15年以上前に思い立って、全く別の方式の入力を使うようになった。
二重母音などの拡張入力が使えて標準のローマ字入力より打鍵数を少なく、何より普段使っているATOKで簡単に実装できるように、と考えた結果、他の入力配列をベース・参考にしつつ独自の方式にするのが最良ということになったのである。
定義の作成と実装は苦ではなくむしろ楽しみながらやって、当初はローマ字入力とも併用しながら、一時期はもちろん入力効率は低下したが、それがやがて実用出来る段階になり、ローマ字入力と遜色ない速度で、さらにはそれを(おそらく)上回って、今ではこの方式でなければほとんど快適に入力ができないという段階になっている。
キーボードは、しかもUS配列を使うようになってしまって、こんな特殊な方式ばかりを使っている人など、探してもそう見あたる物でもないだろう。
関連雑記
一時期は単体でも購入していたATOKは、今は一太郎付属のATOKを毎年導入するようにしている。だが来年の一太郎2022からは、ATOK Passportのサブスクライセンスが付属する形に変わる。ライセンス期間は1年なので、その後毎年一太郎を購入するとしても使用開始時期を調整しないと毎年の付属ライセンスで切れ目なく運用していけるものなのかよくわからない。今後もそれで安定して使っていけるのだろうかという不安がある。
Realforceは時々、一太郎/ATOKのJustSystem社の販売部門であるJustMyshopとコラボした製品がリリースされることがある。国産の良品を扱っているイメージが強いJustMyShopと一太郎やATOKとのコラボもされるということで、つまりRealforceは和文入力や一太郎を使った文書作成に最も適したキーボードであると、メーカーが公式に認めているかのようにも感じ、安心して使うことが出来るというものである。