今のところ自分に最も合っているキーボードはRealforceということで間違いないと思っている。
Realforceを使い始めたのは2009年だったので、もう10年以上になる。
最初に購入したモデルはテンキーレスの86Uで、US配列である。静電容量無接点のキーボードとしてはHHKB Pro2をそれ以前から使っていたが、ちゃんとした標準的なUS配列のを使ってみたいという欲求があった。その時点までRealforceを選ばずFILCO茶軸黒軸なども使っていたのは、Realforceのレトロな配色が当時はさほど好みではなかったというような事情もある。当時は黒配色モデルはなかったのである。
変荷重という仕組みにも興味をもち、使い始めてみると至高かどうかはわからないが、文章の入力などが特に快適で、つまりはキータッチが好みの感じなのである。
それでも最初の頃は、Realforceと他のキーボードを時々取り替えつつ、様々なキーボードの打鍵感を比較するように使っていたのだが、いつしか、ほぼRealforceに固定してこればかりを使うようになった。
その頃には、色違い逆輸入品と思われる86UBも入手して、2台のPC共にRealforceという環境にしていたはずで、それで完全に満足してしまっていたので、他のキーボードは試しに交換してみても、すぐにRealforceに戻すようにしていたし、新モデルのR2がリリースされても、現行使用のRealforceに不都合があるわけではないので、しばらくは特に買い換える予定もなかったのである。
R1世代のRealforceは10年使ったが、特に故障などは発生していない。テンキーレスだがそのうちにテンキーも左側に配置したら良いと思って、23U/23UBも導入した。
R2世代は、PFU L.E.のを先に導入して、その後でノーマルな静音タイプ・変荷重を導入した。なので今は全てR2世代のRealforce、静音モデルを使っていることになる。
静音モデルの打鍵感は拍子抜けするようで気に入らないという人も少なくないが、自分にはこれが最良快適である。
Realforceに限らない話とすると、US配列、テンキーレスという好みは万人からするとかなり異端であろうと思う。ほとんど多くの人は、JIS配列、フルキーボードを好み、ノートPCのユーザでもJIS配列ということになるだろう。
自分の場合は、最初はUS配列はプロフェッショナルな人たちが好んで使っているということやHHKBがその当時はUS配列しかなかったことで、US配列を使い始めた組である。ローマ字入力としてもかな表記は不要というくらいの気持ちもあった。JIS特有のキーがないことで何か支障があるのではないかとも思って、使い始める前までは不安もあったが、配列自体が適正になっているせいか、JIS配列よりも快適だった。
ノートPCもそうだが、テンキーはさほど使用頻度は少なく、サイズ的にも丁度良いと思いテンキーレスに切り替えた。それでも後になってテンキーはやはりあったほうが良いとも思うのであるが、フルキーボードのようにテンキーが右側にあるのは配置のバランス的に良くないので、テンキーは独立テンキーのRealforceにして、それを左側に配置するようにした。本当はそれで左手できちんとテンキーも打鍵できれば良いのであるが、そこまでには至っていない。
余録 好みのHHKB
HHKBは、60%のコンパクトなキーボードである。カーソルキーさえもない、これしかないキー数で全てフルキーボードと同様の機能をサポートしているというのであって、しかもユーザが多いので、どれだけの物かと興味を持って購入したのが2005年頃である。
HHKB Pro2のUS配列モデル(当時はUS配列しかなかったはず)で、刻印有りの墨色配色モデルである。
しばらくメイン機で使い続けたが、やはりカーソルキーが独立していないことで、Fnキーを多用するので、小指の負担が気になったし、これは使っている内に自然にそうなったのかもしれないが、45gの打鍵の押下圧が随分重いもののようにも感じてきてしまって、結局はより柔らかい感じのある変荷重のRealforceを使うようになった。
以来、HHKBは多分もう選ぶことはないのではないかと思っていた。
何年も経って、HHKBにはBluetooth接続のHybridタイプ、静音タイプも増えて、最近になってそれも再び挑戦してみたいと思い、さらには今度こそ無刻印にしてみようと思って、アイボリー配色無刻印のHHKBを導入してみた。
これが意外で、前HHKBとは違って打鍵感はRealforceの45gよりも滑らかで、静音タイプなので打鍵音も静かである。HHKBのキー配列はだいたいマスターもしているので、自分は無刻印でも支障はなく、これもまた快適に文章を入力できるキーボードとして、常用するキーボードの一つに加えたのである。
無線キーボードということで、スイッチの入切は少し面倒なところはあるし、接続設定も無刻印の場合少し苦労することもあるが、2台のPCでの切替も簡単ではあって、何よりコンパクトなキーボードなので持ち運びも容易で、時々使うPCを変更して使ったりもしている。
周りのキーボード
周りの人が使っているキーボードは、会社では普通のフルキーボードであるが、自宅環境でどれだけのものを使っているかはよく知らない。ただ聞こえてくる話の限りでは、RealforceやHHKBを使っている風ではない。ゲーミングキーボードかもしれない。高級なキーボードの観念は違っていて、そんなに良いキーボードは要らないという一般論だろうと思う。せいぜい、その中間的なLogicoolブランドかもしれないが、それ以上はわからないし特に確認しようとも思わない。
PCにもゲームにも興味が薄い人はPCのキーボードに拘るはずもなく、ノートPC付属のキーボード、デスクトップに最初からセットで付いてきたキーボードを使っているに違いないし、それでもなお今はWeb閲覧はマウスだけでだいたい何とかなるので、キーボードはとにかく何でも良いと考える人が少なくないのであろう。
ボールペンなら何でも良い、筆記具に拘らない人が増えているのとだいたい同じである。
入力方式を教える機会
自分の入力方式を教える機会というのも、多分今後無いだろう。そんな変わった入力方式を使おうとする初心者などいるはずがない。いや、本当は初心者こそこういう入力効率の方式を覚えるべきと思うのだが、一旦覚えてしまえば、他の方式に代えるのは困難になるので、その覚悟、標準とは違う物でずっとやっていくという覚悟がなければならず、よって学生以下を含めてこんな方式を教えるべきではないし、最初の一つとして覚えるべきでもないように思える。
最初は普通にローマ字入力を覚えるべきで、それを完全に習得してから、もう一つ別の方式として覚える分については、一つの選択肢として有効だろうとは思っている。
とはいえ、自分はキーボードも教えることも専門家ではないので、そんなに簡単にこの入力方式を教えられるというわけでもない。せいぜい、自分が習得したときのやり方を伝えられる程度である。