本日もKBD雑記

投稿者: | 2022-01-09
キーボードバッグ

一つ一つの記事にするつもりでも書いていたが、一つにまとめて出すのもありだろうとお思い、そうすることにした。

KBDに拘る

道具に拘るのは仕上がり品に対する重いの一つとして重要なことである。
かつては物を書く筆記具に拘ったように、現代ではキーボード環境をもっと大事にすべきである。マウスクリック、フリック入力や画面タッチでハード的なキーボード需要が低くなってきていても、文字入力の最良環境は今のところハードウエアとしてのキーボードであることに変わりはないのである。

ローマ字入力で和文入力ができるということを覚えたときから、キーボードは重要な筆記具になった。だが当時は、ワープロ専用機のキーボードはその機種に固定のものであって、拘ろうにもそれしかなかった。PC-98も同様、その後のノートPCも同様だと思っていて、本体付属のもの以外考える手立てもなかったので、本体のキーボードを使いこなすということしかなかった。
だがあるとき、ノートPCにUSBで別のキーボードを取り付けてみたら、そういう方法で外付けキーボードが使えるということを遅ればせながらも知り、以来自分は最適なキーボードを求めるようになった。

ノートPCのパンタグラフ機構より、もう少しストロークの深い、フルキーボードのほうが打鍵感は快適であることはわかっていたので、一般的なメンブレンに始まって、メカニカル機構のキーボードにもあれこれ手を出した。
どのキーボードが使えないということはないが、結局は国産のRealforceの打鍵感が心地よい。そういう標準的な配列ものが一番自分に合っているということになって今に至っている。

Realforceを使い始めてから10年以上が経っている。配列はUS配列である。古くからのユーザや上級の人がUS配列だと知って影響されて使ってみて、自分もそのほうが合っているということになった。人と同じ物より、少し違っているくらいのものが良いのである。
入力方式も通常のローマ字入力ではなく、Dvorak配列を礎にした定義に変更して、それを15年使って入力をしている。こんな使い方をしている人は、周りにはまず居ないだろう。
PC環境が変わったりする度に多少の手間はあるものの、それでもそれを再び自分に合わせる作業こそが面白くて、それでいい。

HHKBも使っている。当初実際US配列に初めて触れたのはHHKBである。しばらく使ったが特殊な配列部分で不便なことが一番のネックで、結局それで同じ静電容量無接点のRealforceを使い始めた。しばらくHHKBはメインで使うことがなかったが、時を経てHybrid Type-Sを触ってみたら以前のHHKBとは違って随分快適で、静音モデルなので打鍵感も静かで高級感もあり、これも気に入ってしまって今はRealforceと併用している。モデルは無刻印キートップのモデルで、これもまた知らぬ人が見たら何と癖の強いものと思われるだろうが、これで問題ないのである。集中して長文を書く作業の時はHHKBで、その他の作業はRealforceで、などと使い分けたりしている。

キーボードには拘るべきだと思うのだが、そういう人は相対的に少ない。
与えられたキーボードで十分と思ってそれに合わせるのも良いが、筆記具は自分で選ぶべきであるのが本来であると思っているし、既存のローマ字入力に拘る必要もないと思っているが、こちらは少しハードルが高い。

キートップ刻印雑感

キーボードのキートップには、そのキーを押下して入力できる文字が印字・刻印されている。ラベルというべきか刻印というべきか、自分はよく刻印と言っている。
キーボードのキー配置を十分に習得するまでは、キートップ刻印は必要なものであるが、完全に習得してしまった後、あるいはその入力体系を使用しない場合は、その刻印は意味を成さないので、つまりは不要であると言える。

今、多くの人はローマ字入力である。比率としては9割を超えているらしい。JIS配列キーボードには、JISかな入力のためのひらがなが刻印されているが、9割の場合、この刻印は不要である。不要であるが、JIS配列の仕様であるので、刻印は廃止されていない。かな入力を使う人には必要だからである。その使用者がローマ字入力だったとしても、別のユーザが使うかも知れない、その稀に使うかも知れないユーザは、JISかな入力の人かもしれない。あるいは、そのキーボードやPCを他の人に譲渡する可能性もある。譲渡先の人は、JISかな入力かもしれない。
だからひらがな刻印はJIS配列である限り廃止されることはない。

それでも、一部のキーボードではかな刻印のないJIS配列キーボードも製品化されて、そういうのも選ばれるようになってきている。かな入力は誰も使わないとしたら、選択として間違っていないし、それを選択したことで不便になることはない。

キーの位置を完全に習得してしまえるなら、アルファベットの刻印だって数字の刻印だって、もちろん機能キーの表示だって不要である。ピアノなど鍵盤楽器にはラベルなど一切ない。それと同じである。
だが、キーの位置を完全に習得してしまうと言うことはブラインドタッチがほぼ完璧に出来るということであるから、中々そういう人はそんなに多くない。全体では、仕事で使う現役世代でも3割に満たないくらいらしい。

ブラインドタッチができる場合であっても、パスワードなど正確な入力が求められる場合はラベルを確認する必要があったりするので、それもまた完全にラベルを廃止するということが難しくなっている。

自分の場合、ローマ字入力とは異なる体系の入力方式によっているので、アルファベットが刻印されていようがいまいが、関係ない。
おそらく、そういう人を含めてキートップの刻印がなくても良いという人のために、HHKBなどで無刻印キーボードが発売されている。HHKBでは、この無刻印を選ぶ人の割合もそれなりにあるようだ。自分もHHKBは無刻印を使っている。

ただ、全体から見ると無刻印は圧倒的に少数派であろうから、場合によっては理解されない場合がある。理解されない場合は、無刻印での不便なところばかりが強調されて、そういう変わった物を使っている人は変人扱いされるのが世の常である。

Realforce雑感

キーボードに興味を持った頃に、Realforceの名は知った。だがすぐには購入に至らなかった。当時はまだ黒色モデルがなかった。USB接続で自分が使うのに妥当なモデルがなかったのと、静電容量無接点スイッチがメカニカルスイッチに比較して何が優位なのか、よくわからなかったからである。
それもやがて、HHKB Pro2のUS配列で初めて静電容量無接点の機構を触り、この機構はこういうものかとわかり始めると、あえてRealforceを選ばずにまだ他のメカニカルのキーボードを試したりすることを優先していた。

HHKBをしばらく使って、静電容量無接点の優れた点が次第にわかってくると、今度はこれの、もっと標準的な配列のものを使いたくなってくる。丁度その頃、US配列のテンキーレス、変荷重のが出て、配色はアイボリーモデルしかなかったが、それでも使ってみようと思って購入したRealforce 86U、それが最初のRealforceである。
使い始めて、これはもう絶対、という感覚だったわけでもないが、それでも使い込んでいるうちに押下圧の適性など打鍵感に馴染んできて、時々切り替えて様々なキーボードを使っていたのが、次第に好んで使うキーボードがRealforceに絞られてきたのである。

そのうちに、86Uのブラック配色モデル86UBが逆輸入ルートで入手できて、2台のRealforce体制になると、2台のPCそれぞれでそのRealforceを使うようになってからは、もうほとんど他のキーボードには見向きもしないようになって、10年くらいが過ぎていたのである。
いつしかRealforceはR2のモデルが出ていて、形状がスマートになって、新しい機構や静音モデルなども追加されて、再び興味を持ってそのR2タイプを購入したのが2、3年前だっただろうか。その頃には、テンキーレスを使っていながら、独立したテンキーもRealforce 23U/UBを使うようにもなっていた。

R2モデルもUS配列で2台所有しているが、何れも静音モデルにした。
静音モデルは、打鍵感の違いから好き嫌いが分かれるようなのであるが、自分はこれに静音性だけではなく高級な打鍵の感触があって、通常モデルよりも気に入っている。なので後にまたHHKBを選んだときもType-Sの静音モデルにしたくらいでもある。

無線機能を搭載したR3は今まだJIS配列のものが先行して発売されている。R2の登場からそんなに時間が経っていないと思うが、無線の機構を搭載した分、ボディの形状はまた元のR1モデルのような丸みを帯びて大きめの物に戻っているし、アイボリーモデルはなく白配色モデルだけになってしまっている。US配列モデルはいずれ発売されるとは思うのだが、無線接続キーボードとしては今HHKBを使っているようなところもあり、必要となるのかどうかは、微妙なところではある。
ただし、無線接続にすると取り回しや移動性が良くなることに違いはない。

KBD持ち運び

キーボードを(頻繁に)持ち運ぶという考えは、当初はもちろんなかった。PCに接続したままにして使うのが普通のものだからである。だが、無線接続のキーボード、コンパクトなキーボードが出現してからは、そういうかんがえも変わってきた。
好みのキーボードを常に、複数のPC・デバイス間で共有して使うことができるのである。

ただし、無線キーボード、Bluetooth接続はまずWindowsが起動している状態でなければ使えないので、起動前のBIOS設定入力などには使えないことにはなる。とは言っても、そんな需要はどれだけあるのかと考えると、そこは大きな問題にはならない。
接続の安定度ということでは有線接続に勝る物はないので、違いは違いとして受け入れなければならない。

キーボードバッグ
HHKBbag

自分の環境ではHHKBが無線接続可能なもので、これが持ち運びの対象になる。
専用のケースというかバッグに入れて持ち運ぶ。持ち運ぶと言っても、自宅と離れ間くらいではあるが、それでも持ち運びは持ち運びである。
頻繁にバッグなどに出し入れすると、キートップがバッグ面に触れたりするので、勝手に押下されて、入れたままにしておくと押下状態が継続されるので、キースイッチには良くないということになる。短時間の移動でだけそういう状態になるなら基本的には問題ないと思うが、出し入れが何度もされるということは普段とは違う状態に晒される機会も多くなるということであるので、堅牢なHHKBとは言っても安定稼働には少なからず影響はあるのではないかと思っている。

そういう影響がない、ハードケースだとか、HHKBなどではキーボードルーフなどを取り付けて運ぶという方法もあるが、結局移動する際には定位置から持ち上げて動かすわけなので、あまり変わりはない。