買い切り型ではないサブスク型のATOKは、定額制ATOKだった時代に使っていたことがある。購入履歴で調べてみると2008年から4年間ほどだったようだ。それ以前は、買い切り型の2007を使っていた。さらにそれ以前はどれだったかわからない。
中身はATOKなので、定額制でもPassportでも、買い切り版でも同じである。ただ、定額制やPassportでは、定期的なネット接続によるアクティベーションなのか、ユーザ権限がたまに確認できないというエラーが出たりする。買い切り版でも、最近のはそういうエラーが出ていたが、ネット接続は常にあるので、理由は不明である。
つまりここ十数年は、常に最新ATOKを使っているということになる。2007年はAOURを始めた年でもあるので、それ以降最新のATOKで動作するかどうかという検証の目的もあったし、最新の機能を使うということは、最高のATOKを使うということでもあるから満足感もある。
以前にも書いたが、そもそもATOKは自分がPCを使い始めたときからずっと使っているIMEである。ATOK9の頃からということになる。常に最新のATOKではなかったかもしれないが、当初は一太郎に付属のATOK、その後は単体で購入したりVAIOにプレインストールのATOKも使ってきたが、全て履歴が把握できない。ATOK9以降ほとんどのバージョンのATOKを使ってきたかもしれない。
劇的にATOKの仕様のここが、このときに変わった、という印象はないのだが、気付けば入力が快適になっているというのは毎回感じることである。
もちろん、特に快適に感じるようになったのはAOURの入力方式を設定してからなので、ATOK2007の頃以降である。ATOKの全機能、メニューや設定項目を全て確認して自分で最適と思う設定にして、その環境を年々引き継いで新しいATOKで使っている。
ATOKを知ったのはまだPCを使い始める前でもあって、一太郎に付属してくるFEPのATOKが優秀だと聞き、PCを導入したらそれを使うと最初から決めていた。DOSの環境では松茸というFEPがATOK以上に優れているとも聞いていたがWindows環境版は比較的すぐに開発が終了してしまった。
一太郎のシェアが高かったので、ATOKも使用率が高かったが、やがてMS-IMEが主流になった。今はMicrosoft IMEという名になってWindows環境での標準のIMEということになっている。
結局自分はATOKをずっと使い続けてきたのでMS-IMEを使うようなことはなく、操作環境、キー操作はATOKのものでなければほとんど使えない。幸い、MS-IMEもGoogle日本語入力もATOKの操作体系をエミュレートできるようになっているので、その設定にして使う。
言語バー再表示
丁度2年ほど前に、言語バーの表示をやめてタスクトレイの入力インジケータのみでの確認にしてきた。
ずっとこれでやってきて、基本的に問題はないのだが、折角言語バーなるものがあるのだから、やはり表示させるべきかと、ここ数日は再びそれを表示させている。タスクバーに統合して、一応邪魔にはならないようにしている。
そもそも、以前はずっとATOKパレットをタスクバーの直上右下に表示させていた。タスクバーに統合できるようになったのはWindows XPくらいからだったか覚えていないが、その頃でもあえて以前の名残でパレットを表示させていた。アプリケーションのウィンドウと重なるので、半透明で表示させたりもしていたことがあった。IMEのツールバーは、そういうものだという観念があったのである。
しかしやはり、その場所にあるのは邪魔であるので、タスクバーに統合できるのは有り難いと思って、その頃からはタスクバーに埋め込んでしまっていたが、2年ほど前に、結局IMEのオンオフだけわかれば良いので、その幅を無駄に使わずにインジケータのみの表示で良いのではと思ったのである。
実際、自分はコルタナなどもタスクバーからは除外して、できるだけシンプルにしているので、それで十分かと思っているのであるが、モニターがFHDなどのサイズになると、確認のために視線を画面右下まで移動させるのが時々煩わしいことがある。ATOKやGoogle日本語入力では、文字入力部分に状態表示もされるし、WZもIMEの状態表示がタスクバー部分にあるのだが、どうしてもIMEのオンオフはWindowsのタスクトレイ、右下で確認という感覚があって、そっちのほうを見てしまう。
言語バーを表示させると、幾分内側にそれが表示されるし、使い慣れた感覚があるので、完全に右下に視線を移動させなくても状態表示が確認できる。
しばらくはこれでやってみるのも悪くないかと思っているのだが、相変わらずWindows 10の環境では、ATOKの言語バーの右側部のボタンがきちんと表示されない。CAPSやKANAと表示されるボタンの部分である。
主要キー操作の差
ATOKとMS-IMEでは操作するショートカットキーに違いがある。
この違いは、最も二つのIMEの違いを感じる部分で、この違いを受け入れられるかどうかが、二つのIMEをそれぞれの操作系で使えるかどうかの分水嶺になる。
ではこの二つの操作系は結局何が違うのか。
実際、多くの操作は共通している。これが原因で、違うIMEでは和文入力が全くできないということはない。
確定した後の文字の再変換の操作は、ATOKでは[Shift]+[変換]だが、MS-IMEでは[変換]である。ATOK派の自分は、単一の[変換]キーの操作で未確定状態に戻るのは、慣れずに誤操作をしてしまう。
なお、通常はUS配列キーボードを使っているので、[変換]キーがなく、この再変換は別のキーに割り当てている。
先頭1文字の確定、末尾1文字の確定は、ATOKではPageUp/Dnに割付があるが、MS-IMEではこの機能はないようだ。あるいは、前候補表示もATOKでは[Ctrl]+[Space]でできるが、MS-IMEにはこの機能はない。しかしいずれも、これらは操作系というより機能の違いである。
最も迷うのは文節区切り操作と文節移動操作である。ATOKでは、前者は左右矢印キーで、後者は[Shift]+左右キーになっているのに対し、MS-IMEではその逆になっているからである。特に文節区切りはよく使う操作なので、ここがいつもどおりにできないのは大きなストレスになる。
他にも様々な差はあるが、基本となる変換操作での違いがそのようなところであるので、普段使わない方のIMEはそのままでは使いづらいと感じる。
尤も、相互に各々の操作系をエミュレートする、そういうキー割付、キーバインドに変更することが可能なので、ATOKユーザがMS-IMEを使うときにはATOK型に設定したらそれで良いし、逆にMS-IMEのユーザがATOKを使う、乗り換えるときにはMS-IME型にしたらそれで問題ない。
自分はATOK派なので、MS-IMEを使わなければならないときは、可能な限りはすぐにATOK型に設定してしまうのである。