WZ→一太郎

投稿者: | 2022-02-22
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普段の原稿類はWZ EDITORでテキスト形式で書いて、それを一太郎に移して書式を整えるという作業をすることがある。
WZでは、見出しを表示させて整理するために見出し部分を色分け表示したりしているが、その見出し文字列と認識させるための記号としてはピリオドが用いられている。行頭にピリオドを打つことで、その行が見出し行になるという具合で、ピリオドが2個3個と増えていけば、階層が深い見出しにもなる。

簡単に見出し行が設定できるので便利だと思い、自分は今では秀丸など他のエディタを使うときもこの「WZ階層書式」を採用して行頭のピリオドで見出し行を判別させるようにしている。

さて、その行頭のピリオドは、一太郎で書式を整えて仕上げの作業を行う場合は今度は逆に邪魔になるので、このピリオドを削除する作業が必要になる。
見出し行が少ない場合は一つ一つ手作業で削除することで問題ないが、何十もその見出し行があって、階層も細かく分かれているようなテキストでは、その見出し行のピリオド削除だけで随分手間が掛かる。

楽にそういう作業を、漏れなくするには一太郎の置換機能を使う方法がある。一太郎の検索・置換機能では正規表現も使えるので、「^.+」と指定してやれば行頭の1個以上のピリオドにマッチするため、これをNull値で置き換えるようにして一気に削除することができる。
毎回同じ作業を繰り返し行う場合、毎回置換ダイアログでやるのもそれなりに面倒な部分もあるので、これをマクロでできないかと考え、キーボードマクロに記録してみた。それが次のような1行のコマンドである。

正規表現全置換(.正規表現=”^.+”,.置換文字列=””,.検索方向=3,.比較方法=7,.確認=0)

一太郎のマクロ言語は、日本語のコマンドが使えるという特徴があって、見てすぐに何のコマンドかが把握できるのが良い。ただしこのコマンドには英語表記のコマンドもあって、更には引数の日本語部分も適宜省略したりできる。
マクロのリファレンスなどでは、次のような書式である。

ReplaceRegexpAll( 正規表現, <置換文字列>, <検索方向>, <比較方法>, <確認> )

これを、先ほどの正規表現を置いて置き換えると、次のようになる。

ReplaceRegexpAll(“^.+”,””,3,7,0)

すなわち、この1行をマクロとして作成して(基本的にはキーボードで記録されたそのまま)登録しておけば、実行することで行頭のピリオド群が一気に削除され、書式の調整・仕上げに役立つというわけである。

だが、マクロを作成するのもそれなりに手間がかかるし、1行くらいの単純な置換動作でマクロというのも逆に大袈裟ではないかという気持ちもある。マクロはやはり敷居が高い。
そんな場合には、一太郎プロンプトというコマンド機能を使って、置換のスクリプトをもう少し簡単に実行することができる。
そのコマンドが次のようなものだ。

s/^.+//sg

この文字列を一太郎プロンプトの入力ボックスに入力してEnterキー押下でコマンドが実行されて、結果は同じく行頭のピリオドが全て削除された状態になって仕上がるのである。おそらく、マクロを作って使うよりも楽で簡単であり、置換ダイアログを使うよりも作業がしやすいはずである。

一太郎プロンプトは【Ctrl】+【]】キー(当初は【Ctrl】+【Space】キー)でプロンプトが出現するので、起動も楽で、こういう簡単なコマンドをキーボード操作で実行するのに向いているかも知れない。
2002年発売の一太郎12で搭載された機能らしいが、一太郎プロンプトは公式サイトの記述によると、コマンド数は79で、マクロよりもずっと簡単なスクリプト言語である。単純な作業の自動化には、こういう方法もあるのだが、もちろんこんな機能については基本操作しか掲載されていないマニュアルなどでは紹介されていない。

https://www.ichitaro.com/prompt/
一太郎プロンプト講座

可能なら、一太郎へ移行するだけではなくブラウザへ移行する際、すなわちこのブログにWZで書いたテキストを移行する場合にもWordPressでこんなコマンドができると良いのであるが。