子供の頃から様々な文具や事務用品には興味を持っている。書類に穿孔する2穴パンチもその一つであるのだが、特別な拘りというのは持ってこなかった。中心をガイドに合わせて、二つ穿孔できれば、フラットファイルやリングファイルに綴じ込んだり紐を通して綴じたりできる。ただそれだけであるので、とにかく穿孔できればそれで良かった。少なくとも自宅では、そんなに書類を沢山整理しなければならないことはないし、折角の印刷物に穴を開けるのもいやなので、クリアホルダーなどに入れるのが普通である。
ただ会社の事務仕事では、そういうファイルに綴じ込んだりするので、よくパンチ器は使っていた。だいたい会社の備品として必ずあって、分厚い書類群や冊子状のものまで一気に穿孔できる大型のものもあったりする。
しかし数年前だったか、CARL事務器の穿孔機の機構が凄いという話を聞いた。CARL事務器と言えば、鉛筆削りのロングセラー、エンゼルシリーズで有名で、自分もそれを使っている。高々穿孔機の何が凄いのか、その時はさほど興味を持たなかったが、デスクでも頻度高く使うようになって新調しようかと考えると、その時に聞いたCARL事務器の製品が気になってくる。
遡って考えれば、子供の頃、もらいもののコクヨの文具セットについていた小さな2穴パンチで遊んだようなことも思い出すし、その後もそういうステーショナリーセットの中に、もっとコンパクトなパンチ器が含まれていたような気もする。
自分で購入したものもあったはずだと、押し入れを探ってみると、かなり古いデザイン文具的なパンチ器が一つ見つかった。見ればこれがカール事務器の製品なのだが、もう20年か30年か前のものだと思われる。何の時の必要性で購入したのかは覚えていないし、これを何度も使った記憶も無いのである。引っ張り出してみてみると、ロックされた状態で長期間放置してあったせいか、バネの戻りが悪くなっている。ミシンオイルを注油すると良いとのことだったので、そうしてみるとすぐに元には戻った。
https://www.g-mark.org/award/describe/12983
これのようである。ロックパンチNo.60。1986年頃の製品とのことなので、購入したのは学生の頃だったのだと思われる。
実際パンチ器に対する思いはその程度である。
だが、会社では前述のとおり毎日のように使うので、何台もあちこちにあるそれのうち自分が使いやすいのを決めて、占有して使っていたりした。時には1枚だけしか穿孔しないのに、100枚空けのパンチを使ったりもした。
改めて、自宅用にも占用するための1台があると良いと思い、様々調べてみると、そんなに高価なものというわけでもない。他のメーカーなど、最安のものは100均でも買えるような簡易なものもあるくらいだ。
MAX社のスクーバシリーズだとか、カール事務器のアリシスシリーズだとかが良さそうであった。そのカール事務器のアリシスこそ、2010年に文具大賞を受賞している製品で、二重てこの原理を利用して少ない力で穿孔できるものとのこと。
アリシスシリーズは、文具店やホームセンターなどを巡ってみると、16枚対応タイプ、20枚対応タイプ、35枚対応タイプと見つけた。自宅では16枚タイプがあれば十分とも思うのであるが、もう少し大きめの20枚タイプを入手してみたところである。
確かに穿孔時は軽い力で押し抜くことができる。
会社のように穿孔機が何台も様々あると、同じパンチ器で穿孔するようにしないと微妙にパンチ位置が異なったりする。同じパンチ器でさえ用紙ガイドの当て方でも変わってくるので、センターマークに合わせるのが確実だとは思うが、このばらつきが、ファイリングをしたときに気になってしまうのが困るところである。
最近の製品は、使わないときのストッパーもボタン式になっていたり、屑捨てが全面開かずに散らかりにくくなっていたり、そういう進化もあるようだ。
ストッパーをした状態ではバネに負担がかかって劣化しないかという要らぬ心配もある。
16枚も20枚もそんなに変わらないという気がするので、16枚タイプで十分なのかも知れない。
その上の35枚タイプだと、だいぶ枚数が変わる。
少ない枚数でも、自宅などそんなに何枚もパンチしない場合はそれで十分で、それより多ければ何回かに分ければ良いだけなのである。