IMEのオンオフ操作とその他

投稿者: | 2022-05-03
keyboard60

普通にPCを使っていく上で、日本語入力と英数字入力の切替は絶対的に必要である。
なので、この切替操作、すなわちIMEのオンオフは使用頻度も高く、一番単純で簡単な方法でできなければ効率が悪い。
文章入力においては、半角英数字と全角の文字の切り替えは頻繁にある。あるいは、アプリケーションを起動したり、ブラウザの検索などのボックスにフォーカスを移動させてから、IMEをオンにするという機会も多い。

一般的なJIS配列キーボードでは、[半角/全角]のキーにその機能が割り当てられていて、このキー一つでIMEのオンオフができるようになっている。ATOKにおいては、[変換]キーでのトグル操作(切替操作)も可能で、多くの人はこれの何れかの方法で行っているものと思う。場合によっては、[Alt]+[半角/全角]ということもあるかもしれない。
US配列では、[半角/全角]キーも[変換]キーもないので、初期値としては[Alt]+[`]のキーに割り当てられているが、この操作は煩わしいので、多くのUS配列ユーザは何らか別のキーに割り当てたりしている。
Macでは、[英数]と[かな]キーがそれぞれオフとオンのキーになっていて、明示的に半角英数字入力と和文入力の切替ができるようになっているようだ。

US配列を使っている自分は、他の人の割り当てを参考に考えた結果、[Ctrl]+[Space]に割り当てている。これが実は一番快適で、JIS配列標準の1キー割り当てよりもむしろ便利ではないかと考えている。
ただし、その前提として、[Ctrl]キーを標準の[Caps]キーと位置を入替え、[A]の横のキーを[Ctrl]に割り当てている。この配置においては、IMEのオンオフはおそらく、[Ctrl]+[Space]が最適である。

JIS配列における標準の操作、[半角/全角]キーも[変換]キーも、その位置はホームポジションにはなく、一旦ホームポジションから手を離さなければならない。[変換]キーなどは右手中指辺りで操作できそうだが、JIS配列ではその辺に多くのキーが並んでいて、正しく打鍵することができるかどうかは怪しいし、ホームポジションから手を離さずに操作をしようとすると、中指の爪側で打鍵しなければならなくなる。
もちろん、US配列における[Alt]+[]も論外で、これなどは親指で左[Alt]キーを押しながら小指で[]キーを押下しなければならないなど、かなり不自然である。

Macなどの、半角と全角で別のキーになっている方法はWindowsでも仕組みを入れることにより実現することができるが、まず、この切替が別のキーになっているのは、どっちに切り替えるべきか迷うことがありそうである。すなわち全角入力をしたいのに、半角入力のキーを押下してしまうようなことが、起こりそうである。その場合、再び正しく切り替えるためには、別の指で別のキーの操作をしなければならないということである。少なくとも自分にとっては、これは非常に煩わしいと感じる。IMEのオンオフはトグル操作、すなわち同じキーでオンとオフを交互にするほうが迷いが少ないと思うのである。

US配列では、左右の[Alt]キーにこれら操作を割り当てるという方法もあるようなのだが、これも[Space]キーが大きいUS配列だと[Alt]キーの位置的に指をずらす必要があって、一見良さそうで、実際にやってみるとどうにも慣れにくい。

ホームポジションからなるべく指を離さずに操作できて、トグル操作ができるということを考えると、[A]の横にあって小指をずらすだけで打鍵できる[Ctrl]キーと、そもそも左右どちらもホームポジションとなっている親指の[Space]キーの同時押しという操作は合理的な切替方法だと思うわけである。
実際、自分はUS配列を使うようになってからこの[Ctrl]+[Space]をIMEのオンオフキーとして割り当て、JIS配列のキーボードを使うときであっても、同じ操作でオンオフを行うようになったくらいである。
UNIX系のOSでも、[Ctrl]+[Space]はIMEのオンオフキーとして使われているらしく、同じ操作で切替を行うのはある程度に都合が良いとも考えられる。

そのような考えから、自分以外のUS配列ユーザでも[Ctrl]+[Space]をIMEのオンオフ操作に割り当てている人は少なくないようである。

キーの割り当てを変更するには、常駐ソフトなどを使うことになるが、毎回それを起動させてメモリ内のリソースを使うようなことにもなるので、可能ならIMEのキー定義変更機能において実現するほうが確実であるとも思うのである。

繰り返しのCtrlキー位置

それに関連して、何度も言っているとおり、[Ctrl]キーの位置は[A]の左横でなければならない。
理由は単純で、[Ctrl]キーは機能と組み合わせて多用することに起因して、ホームポジションで打鍵できる位置に無ければならないからである。標準の位置、すなわちキーボードの左下位置では、手をずらさなければ小指で打鍵することができないため、最も多く使うコンビネーションキーとしては役に立たないからである。

[Ctrl]キーの位置を入れ替えるには、幾つか方法がある。レジストリにキーを加える方法とか、常駐ソフトを使う方法もあるが、これらによる変更は管理者権限が必要になるので、ユーザ権限しか使えない環境のPCではそれを実現することができない。何とか管理者権限無しでこれを変えられる方法が無いのかと探してみたり試してみたりするが、有効な手段は見つかっていない。

キーボードの配列がそもそも、そこが[Ctrl]になっているHHKBのようなキーボードを使うか、Realforceのようにハードウエア的にそのキー位置を[Ctrl]キーに入れ替えることができるようなキーボードを使うという方法くらいしかないのであるが、会社などでそういうものの持ち込みまで認められるのかどうか。
そういう決断に至っていないので、結局使いづらい標準位置の[Ctrl]で我慢する日々が続いているのである。

[Ctrl]キーが標準の位置にあると、ブラインドタッチというか、ホームポジションでの操作ができないので、一々指をずらして小指で打鍵するが、一々場所を確認するために視線も落とさなければならず、一瞬とは言えその動作が煩わしい。

後変換も代替キーで

頻度高く行う操作は、ホームポジションからいかに手を動かさずに、指が届く範囲で打鍵できるかということが基本で、キーカスタマイズもこれの考えに基づく。
[Enter]キーも、小指を一つずらすだけで可能なUS配列の形状のほうが有利であり、US配列だと[BS]キーも近い。
[Ctrl]キーの位置も[A]の横にあるべきで、IMEのオンオフキーもホームポジション状態で操作できるのが望ましい。

IMEを使っていて、かな入力の後にカタカナ語などに変換する後変換のとき、標準では[F7]キーを使うようになっているが、これもATOKなどでは最初から[Ctrl]+[O]のキーに割り当てがある。だが多くの人は、ホームポジションから手を離さなければ打鍵できない[F7]キーを用いている。
実のところ、[Enter]キーで行う確定操作も[Ctrl]+[M]に割り当てがあるのだが、この方法もほとんど使われていない。
ATOKでもMS-IMEでも、一度ショートカットキーの一覧を眺めてみるべきである。今行っている操作よりももっと便利に行えるキー操作が発見できるはずなのである。

キー定義に不満を持ちながら、カスタマイズはしないという人がかなり多い。
これは、カスタマイズする手間とか設定の難しさもあるだろうが、カスタマイズして余計なところに影響があるのを嫌うからでもある。カスタマイズして、標準と異なる設定にしてしまうことで、サポートを受けられなくなったり、マニュアルなどと操作が異なって影響がでること、次にPCを乗り換えたり、別のPCを使う事になった場合に不都合が生じることなどを避けるという傾向である。元に戻す方法がわからなくなる、などの場合も考えられるし、標準でそうなっているものは、使い勝手が悪くても皆同じ条件と諦める場合も少なくないと思われる。

US配列の利点

それにしてもJIS配列派の人には、US配列の利点はほとんど理解されていない。
[変換]キーなどがなく、[Enter]キーが小さので和文入力には不便だと思っている人が多い。
上記のとおり、[変換]キーなどはなくても、ATOKなどを使った和文入力には全く問題が無いし、[Enter]キーは小さいのではなく横長でホームポジションに近い形状をしているのであって、これは入力作業が楽になる一つの重要な要素なのである。

英文入力では変換操作はなく、単語間のスペース挿入が多いから、US配列は[Space]キーが大きく、[Enter]キーは改行くらいにしか使わないので小さい、などとも言われる。
だが、[Enter]キーはコマンドの実行キーとしての機能もあるので、和文入力だろうが英文入力だろうが頻度は同等であるし、和文入力の変換操作では[Space]キーを使うのだから、このキーが大きく打鍵しやすくなっているのには意義がある。

[変換]キーがないから和文入力には向かない、US配列は専らプログラマーの作業用としてのものだという意見も多いようだが、[変換]キーが無くても大きな[Space]キーで変換作業は出来るのであって、和文入力の作業には全く問題が無いか、むしろUS配列のほうが快適とさえ言えるのである。
もちろん、それらのキーが無い分は、他のキーに割り当てる必要があるが、それも、全ての機能を割り当てる必要はない。使用頻度の低い機能・コマンドについては、ATOKなどIMEのメニューからの切替で十分なのである。すなわち、US配列の少ないキー数で、十分に和文入力も運用していけるのである。

自分が考えるUS配列の利点は、キーの配置のバランスが良いこと、[Enter]と[BS]キーがホームポジションに近くて打鍵しやすいこと、記号の配置が合理的になっていること、くらいだろうか。あとは、キーの形状が綺麗に揃っているという点もある。