既に手元にはないが、初めて購入したデジカメは、Finepix 700だったと思う。当時の報道発表のページに、仕様が掲載されている。
1/2インチCCDの150万画素。レンズは単焦点で35mm相当。記録媒体はスマートメディア。感度はISO100相当のみ。液晶モニタは2インチ11万画素。重量は約250g(当時のクラス最軽量)。電源は専用リチウムイオン電池だが、ACアダプターも同梱されていた。
これで定価が約10万円だが、次のモデルが出る直前の値崩れ時に購入したので、本体は5万円以下だったと思う。USBなどのインターフェースはなく、メディアを取り込むためのFlashPathフロッピーディスクアダプターを一緒に購入した。付属のメディアは2MB程度であったので、8MBか16MBのを後から追加購入。電池も予備を1本追加して購入した。
重くて遅いカメラという印象。今の一般的なコンデジの倍の重さがある。大きさも、当時クラス最小との事ではあるが、ポケットに入れて持ち歩くのには難があった。1枚の画像記録に要する時間は5秒。これも当時としては高速らしいが、つまり5秒以上開けないと次の撮影をすることができなかった。
バッテリーの持ちも大して良いわけではなく、1回の外出撮影で間に合うかどうか、という程度。予備を購入したものの、充電のためにはカメラに装着した状態でなければならず、結局充電中はカメラが使えない。室内ではACアダプタによる電源で使った。
縦型というスタイルも微妙で、構えると安定性は良くなかった。1枚のメディアに収まる撮影枚数も、フィルム1本よりは確かに多いが、ものすごく多いというわけでもない。日付や画像番号の保持機能にも乏しく、電池を入れ替えるたびくらい毎にリセットされて、毎回日付合わせを行った記憶もある。
それでも当時、現像しなくてもカメラで撮影した画像がパソコンに取り込んで加工したり電子的なデータとして保管できるというのが、フィルムカメラに比較すると圧倒的な利点である気がして、しばらく好んで使ったものである。プリンタは持っていなかったし、印刷は目的としていなかったが、今にして思えば考えられないような性能も、わずか7~8年前には最新だったのだ。