普及地図

投稿者: | 2007-12-15

普通のコンデジがフィルムカメラに代わって普及してきて、それが当たり前になってくると、次はもっと良いのを使ってみたいと思う人は少なく無い。デジタル一眼レフという選択肢がある。機能がフィルムカメラのそれに追いついた事と、価格が低下してきている事もあり、デジタル一眼レフを選択する人も確かに増えてきている。
しかし、一般の多くの人は画質やレンズがどうこうというのではなくて、持ち歩きの都合、デザイン、あとはせいぜい画素数、顔認識、手ブレ補正、ズーム倍率、そして何より価格でコンデジを選択する。
おそらく、今一眼レフに乗り換えたり使ったりしている人は、フィルムカメラ時代であったとしても一眼レフを選択していたり使ったりしていた人である。多分、もうすぐフィルムカメラ時代と同様のカメラ普及地図ができあがるのではないか。

年配の男性の傾向もまた面白い。
家電量販店のデジタルカメラ売り場などでは、60代後半以降の人もよく見かけるのだが、この世代の人たちは、派手で新しい感じのコンデジよりも、いかにもカメラ、という感じの一眼レフに興味があるようで、よく店員を捕まえてデジカメの基礎の基礎から説明させている光景に出くわす。
この世代の人でカメラに興味を持つ人は、そもそもお金も持っている人々なので、高い安いはあまり関係ないのが前提としてあるが、これまでフィルムの一眼レフを使っていたりして、ある程度カメラの基礎知識がある人が多い感じだ。フィルムカメラの事はわかるが、デジタルはワカラン。
でも、デジカメの基礎がわかりやすいコンデジではなく、やはり一眼レフを選ぶのだ。大きくて重くて高価でややこしくても、やはり一眼レフが良いようなのだ。

反対に、小学生前後の子供が居る母親世代の女性では、一眼レフを選択する人よりコンデジを選ぶ人のほうが圧倒的に多い。これも、まず価格の点もあるが、画質がどうこうというのよりも、デザインや携帯性、最新機能がまず選択の基準になっているからであろうと思う。

だいぶ一眼レフのシェアは上がってきているようではあるが、今までカメラ屋で買うモノだったカメラが今後は家電量販店でも買えるものになったというだけで、そのタイプの違いによるこういう棲み分けは、今後も地図は大きく変わらずに続くのではないかと思うわけだ。つまり、自分が目的とするところに最も都合の良いカメラを選択すれば良いというだけで、広告に踊らされて必要以上のモノに慌ててシフトする必要はないという事である。