ATOKで色々設定・カスタマイズをして便利に使っていると、別のPCに乗り換える場合や、他のPCに環境をコピーしたりして、同じ使い勝手で使いたくなるのは当然のことである。何にせよ、試行錯誤の上カスタマイズを色々施した自分設定は失わないようバックアップをしておきたいものである。
独自のローマ字配列を使っている自分の場合は、とりわけキーカスタマイズファイルが重要だ。
以前のバージョンのATOKでは、このファイルはスタイルファイル(.STY)としてATOKのプロファイルフォルダあたりで見つけることができたのだが、最近のATOKでは、それがない。どうも、レジストリに書き込まれているようなのである。
バックアップを取る方法は、まず従来の.STYのスタイルファイルで出力する方式がある。これはATOKのプロパティの「キー・ローマ字・色」のスタイル操作メニューから、ファイルに出力することにより行う。出力したファイルは、ファイルを指定して追加することで復元が行える。カスタマイズしたキー定義やローマ字配列のみであれば、おそらくこのスタイルファイルによる方法が最も簡単で手軽であろうと思う。
ATOKバックアップツールを使う方法もある。これはWindowsのスタートメニューから、ATOKバックアップツールを起動して、ダイアログに従って操作して行う。復元もこのツールから行えるが、リブートを促される。
このツールは、キーカスタマイズの設定のみならず、その他の設定やユーザ辞書、学習情報、追加した辞書などを含めて全てバックアップを取る。色々追加辞書などを入れているとデータの容量は大きくなるが、全てそっくりそのままバックアップされるので、これも手軽である。
キーカスタマイズのデータは、その中のレジストリ情報ファイル内に書き込まれているようだ。
以上二つは、作業もそう難しいものではなく、設定を変えるたびに必要に応じてバックアップしておく必要はあると思う。
正確にはバックアップとは違うのだろうが、キーカスタマイズにかんしては、キー定義、ローマ字それぞれのカスタマイズ画面のメニューにおいてテキストファイル出力というのも可能だ。
これは、設定内容の確認のための機能であると思われるが、設定の一覧が書き出せるので、違うバージョンのATOKや他のIME(……にその環境移行ができるかどうかは別として)に設定するときの手助けになるかもしれない。
ATOKのプロパティの登録編集メニューには、現在の設定をファイルに出力する機能もある。これは拡張子.aenというファイルが生成される。
しかしこの機能は、辞書やデータを含まない、設定項目のみのバックアップのようであるので、これはこれで必要に応じて組み合わせると良いのだろうと思う。