http://aptpriority223.sblo.jp/article/176130175.html
ここで書いたように、ノートカバーは本当に必要なのかという疑問があるのだが、もう少し整理してみると、次のようになる。
ノートカバーを使う利点としては、本体の保護が出来る、高級感や愛着度が増す、しおり機能の付加、ペンホルダーやメモ類など関連グッズを一緒に持ち運びできるようになる、などがある。
一方の欠点としては、着脱作業による傷みの心配(折れ曲がりなど)、表紙の型崩れ、サイズアップによる保管スペースの増加、重量の増加、カバー凹凸によるページ面段差の発生などがある。
まず利点から考える。
本体の保護ができる、という点は確かにあると思うが、そんなにハードな環境でノートを使うことがあるのか。カバンへの出し入れや持ち運びなどはあるが、カバーを付けた場合は今度はカバーをどう保護するか。高級な素材であればあるほど、それもまた気になるようになる。
高級感と愛着が増す点については、ノートの表紙の厚紙よりは本革や合皮、ファブリック素材などのほうが確かに手触りが良い点はあるので、これは良い。しおり機能の付加も、厚いノートになると課題になるので、これがあることで重宝すると思うが、あまり太い素材の栞だと、挟んでいることでノートの型崩れも心配である。
ペンホルダーについては、そのノートに使う筆記具が決まっている場合など、必ず一緒に持ち運ぶことになるので、筆記の邪魔にならない位置にあるなら良いのではないかと思うが、こういうカバーや手帳などについているホルダーは、ペンクリップを利用することが前提になっているホルダーなので、鉛筆の場合はそれで一緒に携帯することが難しい。関連グッズとは、付箋とか後で貼り付けたりするメモだとか、そういうものであるが、これも一緒に持ち運びできるという点は便利であるが、それをカバーに収納することにより、筆記に影響を与える可能性がある。つまり、開いたときに凹凸が生じてノート本体の使用に影響がある。影響を与えないような工夫がされているか、あるいは影響がありそうな厚みのあるものはカバーに収納しないという対策が必要である。ケースならそれで良いが、カバーの場合は、それに取り付けた状態で筆記作業を行わなければならないということを念頭に置くべきなのである。
次に欠点を考える。
着脱作業による傷みの心配は、つまり表紙をカバーに挟み込む作業の時に変に折り曲げなければできないためであるのだが、これは実は、カバーを裏返しにするような格好にして、その状態で表裏の表紙を同時に差し込むようにすると、折れ曲がりはだいぶ防止できることを今になって知った。
表紙の型崩れについては、長期間取り付けた状態にしていると、カバー取り付けのために表紙と本紙の間にカバーの素材の厚みの分が加わってしまうので、表紙が曲がってしまうのではないかという心配。これはカバーを使う以上は払拭できない。
保管スペースや重量の増加は、これもカバーを取り付ける以上は仕方がない部分であろう。ノートがA5サイズでも、カバーを付けるとA5以上のサイズになる。
取り付け部分やカバーに凹凸があると本紙の筆記に影響があるという点も、色々挟み込んだり、カバーの取り付け部が中途半端な位置にあるとそうなる。だがその点が考えられたカバーも多く、フラットに仕上がっていて最初から最後まで筆記には影響を与えないというものがあるので、そういう製品であれば問題が無い。
つまりは、利点と欠点をどう考えるか。欠点を補ったり容認することができるかどうかで、カバーを使うべきか否かの判断となるわけである。
ここに思いつきで挙げてみたこと以外では、たとえばそもそも高級なノートなどで、それを使っていること自体にステータスや満足を感じるようなことがあるなら、あえてカバーで高級感をアップしなくても良いこともある。ビジネス・商談の場など普通の安っぽいノートを使うことで相手の印象に影響与えるのをカバーで誤魔化すという用途も確かにあるかもしれない。
もう一つ、カバーにはリングノート対応というものもあるが、そもそもリングノートにカバーは要るのか。リングノートの利点は、180度裏返すことが出来て、開いたときの筆記のスペースが元のサイズのままで済むということだと思うのだが、カバーを付けるとそれができなくなってしまう。ノートカバーは糸綴じノート専用と考えたい。