持ち出す

投稿者: | 2017-10-22

初めてノートパソコンを使うようになったとき、それを車で郊外に持ち出して、そんな場所で家でする作業と同じことが出来るということに感動したものだった。違う場所で同じ作業ができるというのは、まず雰囲気の違いが面白く、環境の変化で新たな発想も生まれてくるというもの。当時はまだインターネットが外で出来るという時代ではなく、エディタで文章を書くという程度の作業ではあった。
同様のことは、携帯電話のiモードでメールがどこでもできる。移動中のバスの車内などでもできるということがまた面白かった。
今は、それが時代的には逆行するかもしれないが、任意の筆記具を持ち出して違う場所でも筆記が出来るということに同じような感動がある。好みの万年筆を持ち出す、それをポケットに挿して歩くということは、実際には使わないとしてもいつでも筆記が出来るのだと考えるだけで満足感とか幸福感のようなものを味わうことが出来る。普段、自宅などの室内でしかしないことが屋外でさえも出来るということはそんな感覚なのである。