まさに、この手元の、これにそのデータ(特に重要なデータや気に入ったもののデータ)が収録されていると思うと、なんとも言えない満悦した感じになる。それを媒体感とかメディア感とか勝手に名付けて呼んでいる。
その昔は録音したカセットテープがそれで、このテープにあの時の音声や録音したあれが入っているのだと思って手にするのが満足であった。ワープロ専用機の時代には、本体で作成して記録したデータをフロッピーディスクに保存したが、まさにそのフロッピーディスクがそれだ。MOディスクもそうだったし、CD-Rなどもそうだった。今では外付けのHDDとか、SSDなどがそれに当たる。USBメモリとか、SDカードなどは、どことなく感覚が異なる。あまり小さすぎるものだと、媒体感が薄れるのだろうか。
コンパクトフラッシュは、まだ媒体感があると言えるが、スマートメディアやメモリースティックは媒体感は薄い。
外付けHDDでも、3.5インチディスクの据え置き型の機器だと、これもやはり媒体感は薄れる。PC本体でもダメだし、タブレットや携帯端末そのもの、そういう機器本体に保存できるとしてもダメである。Walkmanとか、ICレコーダとかも媒体感の対象外だ。
そこから取り出して、そのデータそのものだけ持ち運べる適度な大きさの物、そういう要件を充たす物だけに、媒体感がある。
主目的は保存だったりバックアップだったりするわけでも、そういう媒体感のある物に保存してこそそれが成り立つようにも思っている。