もう少し整理してみる。
まず、マニュアルモードの出番かどうか。少なくとも自分の今のレベルでは、設定合わせの時間が少々必要であるので、動くモノを撮るとき、シャッターチャンスが重要になるモノを場所やアングルを変えつつ撮るときは、マニュアルモードは向かない。そういう場面では、優先AEやPモードが良い。
ゆっくり設定に時間をかけて撮ることができるときは、マニュアルモードの出番である。
概ねの構図と、絞り値を決定する。
絞り値は、被写界深度の撮影効果や、被写体の明るさにより、まず感覚的に判断して優先して決めてみる。感覚的には、1の√2倍数値、つまりF1.4、F2.8、F4、F5.6…という1段ステップの値のいずれかを選択する。1/3ステップの中間値は極力、最初の選択値としては選ばない事にする。
これは個人的な好みで、1段値のほうが、大まかで曖昧ながらも、明るさとシーンでの適数が閃くからである。1/3ステップの値では、まだピンと来ない。
絞り値を決定して設定したら、カメラ内蔵露出計を作動させる。
基本的には、露出計の指針が適正値を示すように、今度はシャッタースピードを調整する。シャッタースピードも、個人的な好みと感覚の問題で、可能なら1秒の1/2倍数値、1段値を選択したいところだが、それでは適正露出にならない場合があるので、1/3ステップ値であっても露出計指針が適正を示す値を設定する。
この時点では、既に明るさに応じた絞り値(概ねシャッタースピードも意図の範囲になるはずの絞り値)を感覚的に設定しているはずなので、だいたい意図に反しない範囲のシャッタースピードになるハズだが、無論経験の無さや感覚レベルの問題で、適正値が意図しない範囲のシャッタースピード(明らかに手ブレする速度、等)になってしまうこともある。
そういう場合(絞り値の見込みが甘かった場合)は、再度絞り値を設定する。
この場合も無論、絞り値は1/3ステップ値ではなく、1段分の値をシフトさせる。たとえば、F8でシャッタースピードが遅すぎるようなら、F7.1にするのではなく、F5.6まで開く。
そうして再度露出計を作動させ、再び適正なシャッタースピードを選び設定する。
シフトさせて開いたり絞ったりした絞り値が、作画意図に反する事が見込まれるようであれば、今度はISO感度を変えながら、同様の操作を繰り返し、適正露出になるよう値のセットを行う。
概ね、以上のような操作で、適正露出に関してはほぼ失敗無くマニュアルモードでの撮影ができている。
露出補正が必要になるときは、自分のカメラではマニュアルモードでは露出補正はできない(普通そうなのか?)ので、原則として絞り値かシャッタースピードで調整することになる。たいてい、以上のように絞り値優先でマニュアル設定を行っているので、補正が必要なときはシャッタースピード側で調整する。
これも、スピードを調整して、露出計指針が適正値ではなく、必要な補正量の目盛りを示すようにするだけの話だ。
以上、基本的には、絞り優先ともさほど変わらないようなマニュアルモードの使い方をしているのであるが、マニュアルモードを使ってみるというだけで、何だか自分の手で撮ったという実感がわくものであって、それが面白い。
当面の課題は、いかに高速に適正値に設定できるかという操作の習熟と、予め適正と思われる絞り値を導き出す感覚の磨き上げであろうか。