テキストファイルの拡張子

投稿者: | 2016-03-17

野口悠紀雄氏は、著書「『超』知的生産とパソコン」(アスキー 1998年)の中で、MS-DOS時代にはファイル名の拡張子を内容に応じて自由に付けていたが、Windows時代になると拡張子はアプリケーションに依存するようになったので、用いるのが難しくなったという趣旨のことを述べている。
論文はRON、連絡文はREN、メモはMEM、講義のレジメはRESなどと拡張子をつけていたらしい。
自分もそれを真似て、しばらくテキストファイルの拡張子はTXTだけではなく、手紙文原稿はLET(LETter)、レポートはREP(REPort)、縦書き用はTXV(TeXt Vertical)などとして使い分けていたこともある。こうすると、拡張子によって内容が把握できて分類も簡単にできたりするのが都合が良かったし、拡張子をキーにしてテキストエディタの表示設定を行うのにも都合が良かった。8.3のファイル名規則では全体文字数が少ないという制限があったので、拡張子も含めてファイル名を考えて整理・分類が行えるようにすることには意義があった。
Windows 95の時代以降は、長いファイル名が可能となり、拡張子に依存しなくてもファイル名で識別できるようにすることができるようになったので、確かに、アプリケーションの関連付けのキーである拡張子の自由度は低くなったと思う。
TXT以外の任意の拡張子を付けたとしても、Windowsではテキストファイルかどうか判別してくれないので、それをどう扱うべきかといちいち関連付けを設定し、アイコンも設定してという作業が発生するし、それをパソコンが変わるたび、あるいは複数のパソコンでしなければならない。なので面倒臭くなって以後は基本的にTXTのみで通常のテキストファイルを管理してきた。テキストファイルの内容で拡張子を任意に設定するのは、内容がそれと定まらない場合に新たな拡張子を考えなければならなかったりして、際限がなくなり効率も良くない。
今はやはり拡張子はそのファイルの性質により区別するようにしたほうが都合が良いので、通常のテキストファイルは基本的にTXTのみで良いのだろうと思っている。
WZの暗号化テキストは性質が異なるので別の拡張子にしても良いし、縦書き原稿など常に縦書き表示設定を適用するファイルの場合は、内容ではなく性質に着目してTXVなどの別の拡張子にしても良い。