小学校の頃は誰でも作文を書かされたもので、原稿用紙の升目を目にすると苦い思い出が蘇るという人は多い。行事の後に書かされる作文はまだ事実だけを書けば良いので楽だったとしても、長期の休みの宿題の定番である読書感想文などは何をどう書けば良いのか、そもそも感想というのが今になっても何なのかわからない。原稿用紙の作文は提出するためのものであるので、綺麗に書くために筆圧を強めにしてゆっくり丁寧に書く必要もある。
つまり、たいていその頃の作文は苦であって、いかにして升目を満たすかという技を生み出してしまう。そういう技は、中学高校国語の字数指定問題や、大学入試の小論文、あるいは大学のレポートなどにまで応用し続けたりする。
自分の場合は、漢字を仮名にして字数を稼いだり、改行を早めて行数を稼いだりする。中身の薄い平易な文章を入れ込んだり、修飾句を多くして一文を長くしたりもする。句読点を多めに入れるなどの方法もある。
早く書けた人は先生の所に行って二枚目、三枚目の用紙をもらうが、自分もそれをしたくて、とにかく多めに書くということのほうに力を入れていたのである。
そんなやり方をしてきたので、今改めて考えてみると自分の文章はそういう悪い癖が出てしまっている。こういうブログの文章も長く書くことが良いというわけでもないのに、余計な句も多く含まれていて文章がくどい。必要なことを漏れなく書こうとしているところもあるのだが、行間を読ませるように考えるのもまたテクニックであると思うのだが。
最初からテキストエディタを使って書くと、挿入も容易なのでつい冗長になってしまいがちだ。紙の原稿用紙に下書きなり原稿なりを書くようにするとそういう傾向も少し抑えられるかもしれない。