ブルーブラック

万年筆インクの定番色と言えばブルーブラックであるが、このブルーブラックの色合いは、万年筆に興味を持つずっと前から好きな色で、常に懐かしさを感じる色でもあった。万年筆を使うようになってから、初めて使ったのもブルーブラックだし、以来、今もメインで使う色はブルーブラックである。万年筆の購入に合わせて同じメーカーのブルーブラックを集めてきたので、モンブラン、ペリカン、パイロットやセーラー、ラミーなど各種、色彩雫の月夜などもある。
ただ、今はペンのメーカーにはあまりこだわらずに好みに応じて使い分けている。所有インクは、ブルーブラック以外の各色も少しあるが、同じブルーブラックでもブランドが違うとそれぞれ特徴もあって面白く、趣味的に楽しむ場合の色とかこのペンではこれとか、公式的な書類に書くような厳格のイメージの場合はこれとか、選んでペンのインクを入れ替えてという楽しみまで出てきている。
海外の珍しいブランドのものなどは、販売店の関係やその他の事情で入手しにくくなることも考えられるので、供給が安定していると思われる定番品が一番無難なのかとも思っている。そういう製品はユーザも多く、品質も安定していると期待する。
この書類はこのペンで書いたという自己満足と共に、このインクを使って書いたという優越感みたいなものが出てきたりもする。
そんなブルーブラックは、小さな頃から慣れ親しんで使ってきたというわけではない。身近な人などが使っていたという記憶もない。なのに、そういう懐かしさを感じるのは、古い書類や小説家の原稿などで見たインク色だからなのだろうか。そういうイメージが懐かしさとしてすり込まれていたのかなどとも考える。実際、ブルーブラックという言葉自体、万年筆のインクを調べていて初めて知ったくらいだ。
ブルーブラックは、一般的には濃紺色ということになるが、この色が好きなのは万年筆のインクとしてだけではない。気付けば、テキストエディタの背景色もずっと濃紺色にしている。あるいは、背景色は白としても文字色を濃紺色にしていたこともあった。
多分今後もブルーブラックは自分としての基本色であるのだと思う。