万年筆が今は全部PILOTのものしか使っていないという関係もあるが、PILOT純正の定番品、標準インクのPILOTブルーブラックが良い。
第一に、万年筆インクの中では最も入手しやすい。万年筆インクの取り扱いがある文具店なら、必ずある。ただし、あるのは小さい30mlボトルで、70mlや350mlのポン酢瓶型ボトルのはないかも知れない。
70mlボトルのタイプは、カスタム823のプランジャー式で吸引しやすい機構になっているが、無論別のものでも使える。350mlは、他の瓶に小分けにして使うためのものと考えるべきだ。そんなに大量に購入しても一人で普通に使うなら10年20年とかかるくらいの分量で、その間にさすがに変質してしまいそうである。
入手しやすいということは、使い切って欲しいと思った時にいつでもすぐに手に入るということである。
また、このインクは染料インクであるらしいが、耐水性が良い。書いたものを水に濡らしても完全に洗い流されたりはしない。耐光性もそれなりにある。
そのようなことは考えにくいが、本物のブルーブラックのように長期的な保存も期待できるということでもある。
更にこのインクはフローが良く詰まったり固まったりもしにくく、どんな万年筆にも優しいインクだと言われている。反面、紙を選ぶ。染みこみやすい用紙だと滲んでしまうことがある。ただしこれも色彩雫ほどではないように思う。
ブルーブラックとしては、やや薄いというか、青に近い色合いなのであるが、それでも万年筆の定番インク色として悪くはなく、気に入って多くの万年筆で使っているのである。