石鹼、改めて

投稿者: | 2020-07-30

手を洗ったり身体を洗ったりする洗剤は、子供の頃は基本的に固形の石鹼以外は考えられなかった。幼稚園や小学校の水道の蛇口にはみかんネットに入れられた白や黄色の石鹼がぶら下がっていたもので、絵の具で汚れた手をそれで洗ったものだった。
自宅の水場、浴室にも必ず石鹼はあって、毎日だいたい必ず使っていたし、学校の宿泊研修やお泊まり会などに持って行く洗面道具の中にも小さな石鹼箱が入っていたりもした。
染髪は昔からシャンプーだったとして、そんなに頻度高く普通に使っていた石鹼を使わなくなったのはいつだっただろうか。液体のボディソープが出回ってきたらそれが便利そうで新しく、髭剃りもずっと石鹼だったが、いつの間にかジェルやフォームを使うようになっていたが、手洗いだけはずっと石鹼で、それもいつの間にかハンドソープを使うようになっていた。
石鹼はほとんど、自分で購入したことはない。もらい物の石鹼が自宅に大量にあって、だいたいそこから適当な物を拾い上げてきて開封し、それを使っていくのである。1個消費するまでにもそれなりの期間が必要なので、中々使い切らない。小さく薄くなってきた石鹼は、新しい石鹼にくっつけて使うか、あるいは限界まで使ってクズ石鹼としてため込んでおいて、ひび割れが汚れているのを見てあるとき捨てる。
今後は石鹼ではなく、ボディソープ、ハンドソープ、シェービングフォームで行くつもりでいながら、髭剃りはフォームやジェルより泡立てた石鹸のほうが良いのではと思い、髭剃りの泡立てのブラシを買ったのとあわせて、無添加の石鹼を購入してみたのが10年くらい前になる。おそらくそれが自分で初めて買った石鹼ではないか。
髭剃りにはそれをしばらく使ったが、泡立てには手間もかかり難しい。手洗いや身体洗いにも使ってみたが、やはり液体のソープのほうが便利そうだ。無添加のボディソープとやらも買ってみた物の、中身は粉石鹸のようなもので、これは使い勝手が悪かった。
そんなことで、その無添加石鹼も1個使い切らないうちに、また新しいソープ類に戻っていた。
このたび、まだ勝手口の物置場に大量の石鹼があるのを思い出し見てみると、30年かそれ以上も前の物と思われる石鹼が数十個。使えないことはなさそうだが、どうせなら新しいもののほうが良いのではと考え、懐かしい牛乳石鹼赤箱青箱を買って使うようになった。
牛乳石鹼は定番品なので、昔から何度も使ったことがあるはずだが、石鹼の銘柄など気にしたことはないし、本当に使ったかどうかと問われると確証には怪しいところもある。
見直してみると、石鹼は手洗いに十分有用であって、ハンドソープと比較して劣るというようなことはないらしい。液体ソープに比較すると、洗浄成分は固形石鹼のほうが含有率が高い。
石鹼は共用する際に前の人が使った影響、衛生面での問題が考えられるが、石鹼そのものはよく洗い流す程度で問題はなく、少なくとも石鹼から感染したという報告はないらしい。自宅で自分だけとか、家族など限られた人のみで使うには全く問題がない。
固形石鹼は製法が確立していて、天然由来成分とか、無添加とか、肌に優しい物も多い。以前は石鹼を使うと肌が突っ張るという印象もあったが、これは体質などにもよるもので、最近使っている限りはそのようなこともない。ただ、使いすぎると肌が乾燥したり荒れの原因になったりするのかもしれないが、それは液体ソープも同じである。
また普通の石鹼は1個100円程度か、実質それ以下であって、少なくとも液体ソープのボトルを使い切る回数以上は使えると思うので、概ね1/3以下のコストで済むというのも利点として大きい。しかも、石鹼一つでボディソープ、ハンドソープ、シェービングジェル全ての役割を担える。
染髪はシャンプーだが、まあ石鹼でも洗えないということはない。ただし髪が軋むのでリンスは必須である。
無添加のシャボン玉石鹸も1個眠っていて、これも何年も経って変色が進んでいたが、品質には問題ないということだったので、比較のためにこれも使っている。赤箱青箱何個も買い込んだので、当面は石鹼に困らない。