縦書き環境

投稿者: | 2020-09-27

和文はそもそも縦書きの文化であって、本来はPCにおいてもいかに縦書きで書くかということは重要なことなのだが、これがとにかく難しい。
かつて、自分が使っていたワープロ専用機では縦書き印刷と縦書きイメージでの表示は出来たが、そういうイメージのままで入力作業をする事は出来なかった。PCの環境においても、当初はおそらく同様なものであったが、やがて、ちゃんとした和文ワープロソフトにおいては縦書きが出来るようになってきた。それでも、そもそもPCの画面やソフトウエアは横書き文化の中で発展してきたものであるので、縦書きには色々と都合が悪いことも多かった。表示フォントの縦横転回の問題は当然であるが、縦書き表示をして上手に画面内に納まるかということもあるし、そういう環境で作業をする際の視認性が確保されるのかというような問題もあった。
テキストエディタにおいては、そういうワープロソフトよりも縦書き対応は後になった。これは、エディタが当初はプログラミングなどの横書き作業のためのソフトウエアであったことが関係する。
文章書きツールとしても注目される中で、当然に小説などを目的として縦書き環境も求められるようになり、幾つかの高機能なエディタが縦書きに対応していった。自分が使っているWZ EDITORもその一つだし、それからだいぶ後にはなったが、秀丸も縦書きに対応し、原稿用紙に書くような感覚で文章入力が出来るようになったのである。さらには、小説書きなどの目的に特に合わせた縦書きが基本のエディタも最近では登場している。
ようやく難なく使えるようになってきた縦書き環境ではあるが、実際に使う機会となると、小説の類を書く場合にあっても横書きの方が作業として慣れてきてしまっているという状況もあって、入力した文字が下方向に追加されていくという視線の動きや、カーソルキー操作などの感覚が、多くの場合縦横入れ替えて考えなければならないので、ストレスを感じることもあるのかも知れない。