高機能なテキストエディタは、豊富な設定項目があって、各種のカスタマイズや表示の方法などを変更しようとした場合は、その豊富な設定項目群の中から目的の設定箇所を探し出さなければならない。
秀丸エディタは、ファイルタイプ別の設定か動作環境の設定か、その二つを探せば大抵目的の設定項目にたどり着けると思うのであるが、WZ EDITORに関しては、以前からインターフェイスの独自性が強い部分があり、どこからその設定項目に行き着くのか、毎回のように迷ってしまうのである。
WZ EDITORの今の最新はWZ10(10.0.23)で、設定に関してはWZのサイトのオンラインヘルプにあるのが詳しい。
https://www.wzsoft.jp/wz10/help/page3.html
これは、WZのヘルプメニューから表示されるヘルプも同じ物であるようだ。
各種の設定
WZの各種設定は、[表示]メニューの[設定]で設定ダイアログを表示させると、多くの設定がそのダイアログの画面、12のタブの何れかでできる。それだけ多くのことができるので、ダイアログを開く頻度も高く、自分は[F9]キーにこのダイアログの表示を割り当てている。一太郎の文書スタイル設定も[F9]キーで開くので、それとキーを同じにしてある。
この便利そうな設定ダイアログからの項目で全てWZの設定ができるかというと、そうではない。少なくともキー操作やメニューのカスタマイズは、別の場所からの設定になる。
印刷設定も、このダイアログからはできない。テキストエディタで印刷設定ができるということ自体珍しいと思うが、その設定は印刷プレビュー操作で表示される画面で、設定ダイアログを表示させることにより行える。
通常の編集画面からダイアログを開けば表示設定などのダイアログとなり、印刷プレビューからダイアログを開けば印刷設定ダイアログが表示される。
色分けの設定は、画面配色などの設定は設定ダイアログから行えるが、ファイルの種類毎に設定できるキーワード、タグなどの色分け設定、色分けをするための正規表現設定などは、[表示]メニューの[色分け設定]から行う。
ちなみに色分け設定項目数は最大3万項目とのこと。
色分けに関しては、他にもテーマの設定というのがあり、おそらくこれは設定ダイアログの側の背景や文字色の色分けだと思われるが、それを切り替えたりする設定群も存在する。
この辺で、もうよくわからなくなっている。
印刷設定、色分け設定、テーマの設定は幾つも保存したり名称を変更したり削除したりができるようになっていて、任意の設定に切り替えることもできる。
設定ダイアログ
結局[表示]メニューの設定ダイアログで設定できるのは、画面構成やフォントなどの表示関係と保存や開く際のファイル操作に関するもの、あとはインターフェイスに関するような環境設定が中心である。
この設定は、もちろん保存することができるのだが、環境設定系は全WZで共通であるらしい。表示関係の設定は、それぞれ保存となるようだ。
表示関係を中心にした保存は、ダイアログでOKをクリックすることで保存されるが、ダイアログ下部の「設定の操作」から辿ると、保存した設定自体の一覧から別の設定の編集をしたり表示順を変更したり、名称の変更や削除をしたりといった操作ができる。
たいていのエディタは、このような設定群はファイルタイプ別の拡張子に関連付けて運用することになる。WZも基本的にはその通りであるが、ファイルタイプ別の設定はまず「ファイル設定」というところで行なわれる。
ファイル設定
「ファイル設定」は、設定ダイアログの「設定の操作」から選択して辿り着くことができる。ここではその個別のファイル設定に拡張子を登録したり、それぞれのファイル設定においては、そのファイルタイプではどの表示設定、印刷設定、色分けを適用するかという初期値の設定も出来る。つまり、このファイル設定によって、拡張子毎の設定を行っているというわけである。
もちろん、設定はあくまで初期値であるので、そのファイルを開いた後で、表示設定を別の物にする、たとえば縦書き表示設定を適用したり、原稿用紙設定を適用したり、あるいはまた元の表示設定に戻したりできる。
既存の設定ではなく特殊な設定をしたい場合は、専用設定として保存したり、あるいは自動的にファイル個別の設定として記憶もしてくれる。いずれも最大300件まで保存・記憶してくれるらしい。
設定の複雑さ
つまり、WZの設定は、設定項目群同士を結びつけて運用するところが難しい。
それぞれ設定の意味も設定方法も別の所から辿って行き着けるようになっているのも難しいし、設定ダイアログは共通設定項目と個別設定項目が混在したり、全ての設定に行き着けなかったりしている部分も難しい。
とは言っても、設定項目さえ見つかれば、結局はそこで設定を行えば反映はされるし、任意の設定に切り替える手段も用意されているので、必要以上に困ることはないのかもしれない。どこの設定はどこまで反映されるかというのは、最低限把握しておく必要がある。