WZ EDITORにはWZ-IMEという機能がある。IMEというからには、ATOKなどを想起するわけだが、そんな和文入力のシステム的な機能を、テキストエディタという単位で組み込むようなことができるのだろうかと、ずっと思って疑っていた。
IMEはATOKを使うので、WZ-IMEは使わずにいたら、WZ10ではその機能は明示的には出現せず、スマート入力という機能に変わっているようなのである。
では結局そのスマート入力とは何かと言えば、おそらくこれは補完入力の仕組みである。
あるいは推測変換的な機能である。設定を見れば、各種の辞書が設定できるようになっていて、その辞書に含まれている語を、入力に応じて表示させるような、そういう機能なのであるようだ。つまり、前身のWZ-IMEも含めて、ATOKのようなかな漢字変換の仕組みというのではなくて、入力に応じてその前方一致的に辞書にある候補を提示するような機能であると思う。
コーディング作業においては、そういう機能も補完入力として悪くないかも知れないが、普通に文章を書いている際には、ATOKの推測変換表示もあったり、不意に候補が表示されて邪魔になってしまったりして、やはりWordのようなお節介機能ということになるので、WZ-IMEの時もスマート入力も基本的にはオフにしているのである。
それにしても、まだWZの全機能は把握できていない。
ヘルプを見ればある程度は把握できるが、機能が豊富なのでその機能・コマンドに行き着くのも正直大変である。WZもヘルプはあるが、全てテキストの構成で、何だかそこから探すこともやや難しい部分があって、それだけで機能を知るということは期待できない。
市販のアプリケーションとして、本当はもう少し詳しい解説、具体的な動作事例なども記述があると良いと思っているのだが、なかなかこの合理化の状況の中ではそれも期待できない。
ツールとしてのWZ
WZの話題の序でに、WZはどういう層の人たちが使っているのだろうかと常々考えてみている。というのも、WebでWZに関して検索してみても、中々必要な情報に行き当たらない。個人が作っているような情報群が見えない。WZのユーザ層がよく見えないのである。
テキストエディタはその昔、プログラマーなどが使うツールであった。それは今でも基本的には変わらないが、文章書きにも使われるようになってきて、テキストファイルをきちんと扱うためのアプリケーションとして、今は様々な場面で必要とされている。
当初はエディタもアプリケーションとして市販のものが中心だったが、今はフリーのテキストエディタが中心になっているので、結局何でも無料で使えるツールを使う人の方が多い。基本的にフリーの範囲で備わっている機能で多くの人は十分に使える。WZやMIFESなどの市販の(パッケージ製品としてある)テキストエディタや、秀丸、EmEditorなどのシェアウエア的なツールを選ばなくても基本的には間に合うのである。
だがやはり、有償のアプリケーションはフリーのものより機能が豊富であり、あるいはマクロを使ったりプラグイン類をたくさん組み込んだりしなくても最初から機能が備わっているので、それ一つだけで普通はどんな用途にもだいたい使えてしまう。そういう利点がある。
WZにおいてもテキストを扱う統合的な環境を目指していて、実際そうなっているので、有償である価値は十分にある。だが多くの人はそういう価値を求めず、フリーの機能で間に合わせている。
もちろん、有償のソフトウエアはサポートもきちんとしていて、販売している企業組織がそれを担っているので、長期的なサポートも望めてそういう点でも安心感がある。
つまりはおそらく、WZなど市販ソフト類は個人ユーザよりは企業や学校・専門学校でのユーザが多いのではないかと思っている。
そういうユーザは、自分でこれを選んで使っているわけではなく義務的に使っているというのもあるが、あえてサポートや疑義などを個人で公開する必要がない。
Webで検索してもそういう情報が見つかりにくい。ただ単に、サポートもしっかりとあるので、それで問題が生じていないという可能性。健全な体制が整っているとも言えるのである。