高機能なテキストエディタはカスタマイズ性が高いので、その操作体系、特にキー定義を他のエディタと共通化できるような仕組みを設けている。他のエディタから乗り換えたときや両方を使う人に対して、同一の操作感を保てるようにしている。
今は、WindowsのOSで共通の操作体系ができあがっているので、そういうものの必要性も薄くなってきているのかも知れないが、DOSの時代くらいまではアプリケーションそれぞれが独自の操作体系、キー定義を持っていた。だから特に古くからあるテキストエディタの操作体系を模すような、「○○ライク」と名付けた操作セットを持っている場合がある。
例えば秀丸エディタでは、VZエディタライクの定義セットが用意されているようだ。WZ EDITORにおいても、その前身であるVZエディタはもちろん、MIFESやEmacsの操作体系もある。VZエディタはDOSの時代の定番エディタであったので、これと共通化する動きはよくある。
テキストエディタではなくても、他の同種のアプリケーションの操作系を取り入れているのがIMEである。これも、今はWindowsではMS-IMEが標準になってしまっているが、それとは異なる操作体系を保っているATOKのシェアも高い。
なので、MS-IMEではATOKのほかVJE、WXといった古いIMEの操作系にも対応している。ATOKにおいても、MS-IMEのほか、WXG、VJEに対応している。Google日本語入力ではATOKとMS-IME、ことえりの体系があって、それらのうちからどれかを選ぶようになっている。
IMEの場合は「○○ライク」とは呼ばないが、意図するところはエディタのそれと同じである。
自分の場合、エディタのキー定義はVZライクから一部を取り入れて、Windows標準に融合させたようなオリジナルのキー操作体系でやっている。この操作体系は、秀丸エディタでもサクラエディタでもカスタマイズで設定して共通化できている。
VZエディタは実際には現物を使ったことがないのであるが、それでもそれだけのシェアを誇ったのであるから、さぞかし使いやすい物になっているのだろうと思って、2ストロークキー操作などを取り入れているのである。
https://aourkbd.net/hasei/two-strk.html
IMEの操作に関しては、PCの使用開始以来ずっとATOKで、これ以外の操作はほとんどできない。MS-IMEとは少し異なるところがあって、MS-IME型ではほとんど使えない。もちろん慣れればそれになるが、相当長年使っているATOK型から離脱するのはかなり難しい。また、US配列に合わせた操作体系もカスタマイズして入れたりしている。