今月もまた雑記を書きためて、ある程度溜まったので投稿する。
最近はずっとこのスタイルである。
ずっとATOK
PCを使い始めたときから、IMEはずっとATOKである。
PCを始めたのはまだWindows 3.1の頃で、MS-DOSもまだ使われているその端境期くらいだった。FEPはATOKのほかにも幾つかあって、他には松茸が優秀だがWindowsで汎用的に使えて、性能も良いのはそのATOKで、一太郎同梱で使えるということで、PCを購入する前から、最初からそれを使おうと決めていた。
当時は、ワープロ専用機からの乗り換えで、単語登録が際限なくできるらしいことだとか、品詞毎に分けて登録ができるということが画期的で、その機能ばかりに目が行っていた。変換操作も、PC-98のキーボードのXFERを使ってすることなど、これも面白そうだと思っていた。
そうして使い始めて、ワープロ専用機からも単語を以降して登録したりして、PCのFEP、日本語入力システムのATOKをずっと使ってきた。一時期一太郎を選ばずWordを使っているような時でさえ、IMEは常にATOKで、ATOK単体で購入して使ったりしてきた。
ATOKのほうがずっと高性能ということで言われていたので、Windows標準のMS-IMEは、ATOKとの比較のために使うという程度で、主で使用するには至らなかった。
時が過ぎて、そのMS-IMEも性能というか変換の効率とか正確さが追いついてきたようだったが、それでもATOKの高機能さ、優位性は変わらず、IMEはずっとATOKを使い続けてきた。
辞書の組み合わせ、自由度が高く、追加の辞書(国語辞典の電子辞書)なども使えるとか、カスタマイズ性が高い、設定項目が細かく、使い込んでいくうちに自分の変換に馴染むような使い方ができるようになるというところに尽きる。
2002年頃だったか、AZIKを使うようになり、これはATOKのローマ字定義カスタマイズ機能を使った。この定義カスタマイズのプロファイルを簡単に切り替えられるのもATOKの特徴で、これはMS-IMEにはできない。
その入力方式、ローマ字定義のカスタマイズを使って自分独自の方式であるAOURの環境もATOKで実装できるという条件で作成しした。MS-IMEでは定義数の上限値がATOKよりずっと少なく、同じ方法では実装できない。そうしているうちに、Google日本語入力がリリースされ、これもATOK以上の拡張性でローマ字カスタマイズがよくできるということでAOURの環境を構築したりもした。変換効率というか、辞書も優秀で使いやすい感じがあるが、それでも自分はATOKをやはり使っている。
ATOKは、最初は一太郎付属のATOK9辺りから始まって、もちろん全Versionをくまなく使ってきたわけではないが、ATOK2005~2007辺りは単体で購入した記憶がある。PC用以外でもPDA用のATOKも使った。やがてATOK Passportの定額制が出て、常に最新版が使えるということでそれに移ってしばらくしたが、その後は再び一太郎付属のATOKという選択にした。買い切りであったが、PC単体に収まってそこで動作するという安定感があった。毎年一太郎は更新購入するので、最新版はそれで入手できる。
だがその買い切り版、単体版も数年前についにサブスク型だけになり、一太郎への添付も形態が変わってきて、再びATOK Passportの定額版ユーザとなったので、再びオンライン型的な使い方のATOKである。今現在で年間税込7920円で、これが高いとも思わないが、買い切り版よりは、多分コストはかかっているのだろうと思う。
ATOK Passportでは1契約で10台の端末までインストールできる。最近ではPCに加えてスマホのAndroidもATOKにした。フラワータッチでの入力が快適で、普通のフリック入力はあまり使わず、こればかりである。ATOK Syncで登録単語や辞書なども同期できるので、その辺は、一応有り難い。
結局、これまでも今後も、ずっとIMEはATOKなのである。
IMEの将来性
今、Windows用のIMEで著名なものと言ったら、標準のMI-IME、Microsoft IMEというのか、それが最も多く使われていて、次にはおそらくGoogle日本語入力、そして市販のATOK。おそらくこれしかない。機能が最も豊富なのはATOKで、Google日本語入力の特徴としては新語に強いということだろうか。
MSはOffice同様に標準ソフトとしてのIMEなので、今後も最新の技術を搭載して、おそらく今後はAI機能との連携なんかが組み込まれてくるのではないかと想像するが、そういうふうに進化していく。
ATOKは、変換効率、変換エンジンが最大の売り物であるので、今後もそれの進化とサービスの充実が続いていくのではないかと思う。Google日本語入力は、今後このプロジェクトがどう考えているかにもよるし、サービスとして成り立たないと判断されたらあっさり撤退ということもあるのではないか。オープンソースになっている部分があるので、それで補完されるかどうか。
変わって、それに相当するようなサービス、新しいIMEも出てくるのかどうか。
正直なところ、変換効率と言われているが、どのIMEを使ったとしても特に変換が良くないというようなことはない。よほど特殊な文章ばかり入力するなら別だが、一般的な文章の入力においては、どれでもそんなに大差ない。あるいは、ユーザが気づかないだけで、特定のどれかがよく進化しているかもしれない。
自分としては、ローマ字入力のカスタマイズ性能がどれだけあるかというのが、それなりに大きなポイントとなっている。AOURがそのまま実装できるのは、そもそもATOK用に作ったのでATOKはもちろんできるが、それ以外ではGoogle日本語入力か完全に実装できる。MS-IMEは全く使い物にならない。
確かに、ローマ字入力のカスタマイズ機能は、打鍵しにくい定義を修正したり、新たな定義を追加したりするもので、フルに別の入力方式を実現させるというのが目的ではないのかもしれない。ATOKのカスタマイズ機能も、基本的にはそういう考えに基づいている。制約もあって、なかなか難しい部分がある。
ATOKはまた辞書機能も充実していて、複数の辞書を任意に組み合わせたりもできるので、そういう面白さもあるところだが、少し複雑すぎて、どう機能しているのか、実感しにくい場合もある。標準の辞書があって、それにユーザ辞書を追加できると言うくらいの単純さで良いような気もする。
ATOKはサブスク型のみになってしまったが、それで常に最新ということであるので、それはそれで良いのかとも思う。買い切り型で、当該PCで安定してずっと使っていけるというのも魅力ではあった。
キーボード押下圧
キーボードのキーには押下圧というのがあって、これが重ければ、打鍵に力が必要で、軽ければずっと打鍵しやすい。当たり前だが、この加減が難しい。
良いキーボードを使い始めるまでは特に気にしたことがなかったが、メンブレンなどのキーボードでも重いものがあって、それは特に打鍵しにくかった記憶がある。
ノートPCを使うようになってからは軽い打鍵感のものばかり使ってきたこともあって、そんなに重い打鍵感の押下圧のキーボードは自分には向かない。
それと同様に、ノートPCを使っていても基本的にはストロークの深い外付けキーボードのほうが好みでも合って、色々使っているうちに自分の好みはそういうものであるというのが定着してきた。
ある程度ストロークのある、キーボードであることで、それが好みであれば、キーの押下圧もだいたい45gのものが丁度良いと感じてくる。黒軸のキーの打鍵感は重く、茶軸や赤軸なら気に入った。
おそらく、軽すぎると逆にミスタイプが増えると言われている。全30gのRealforceを触ったことがあるが、これには相当な慣れが必要だと思ったので、選びにくい。
変荷重では、一部が30gで、当初はこのくらいのバランスで丁度良いとも思ったが、全45gのRealforceで、やはりこれだと思う。
更には、全45gのHHKBも、1台目は凄く重く感じたが、2台目のHybrid Type-SはRealforceより軽い感じがあって、この打鍵感もまた凄く良いので、やはり45g押下圧が自分としては最適に感じている。
キーボード依存
キーボードからアルファベットを打鍵して、和文の入力ができるかな漢字変換の仕組みも、そうやってこれだけのキー数で全ての文字を入力できるという方式は、それまで手書きで書くか、タイプライターで当該の文字を探して入力することくらいしか知らなかった自分には全く新しい方式で、すぐに深く興味を持つやり方であった。
以来、手書きはしばらく使わずにずっと、何でもキーボード入力でやっていこうと思って、書くべきもの、すなわち手紙でもレポートでも何でも打鍵による入力でやっていたし、今後も全てそうなるものと思っていた。
ブラインドタッチもやがて覚えて、キーボード入力が全てだと思っていたくらいである。
実際、ブラインドタッチは今でも役に立っていて、ローマ字入力から別の方式に切り替えた後も、これがなければ成り立たないような、そういう技術である。
ハードウエアとしてのキーボードにももちろん興味を持って、最初はワープロ専用機の、機種オリジナルなメカニカルだったと思うが、それを何台か経て、PC環境ではPC-98の、おそらくメンブレンのキーボード、それからノートPCのキーボード、やがて外付けのメカニカルや静電容量無接点へと変化していくわけである。
アルファベットの配列はみな同じ。機能キーの配置が異なる。色の違いもあるが、最初の頃はさほど打鍵感を気にするようなことはなかった。重いとか軽いとかで、どうして打鍵しにくいのかと考えた結果がそれであったりしたが、PCのキーボードもワープロ専用機同様に本体に付属のもので、自作PCなど以外では変更することもできないと思っていたし、またそうする必要もさほど感じていなかった。
自作PCを使っていたときは、FMVのキーボードを流用し、それで何でも満足していた。ノートPCは本体キーボードで、それ以外は使えないと思っていたが、キーボードのキートップが外れたりして簡単な故障があっただけでそれでは完全に使えなくなるのだろうかと危惧して、他のキーボードを取り付けてみたら普通に使えたので、それか外付けキーボードにハマりだした。
調べれば打鍵感、機構としてのメカニカル、それから英語キーボード、US配列など、そういう拘りをすこしずつ持って、行き着いているのがRealforceなりHHKBなりという次第である。
既にキーボードは当たり前に使いこなせる、鉛筆のようなツールになっているので、自転車の乗り方や車の運転の仕方などと同様に基本的なスキルとして身についたようであるので、このブラインドタッチも今後も簡単に忘れるということはないと思われる。
自分がキーボードを覚えた頃は、もちろん先人というか、ずっと高度に使いこなせる人は少なくはなかったが、それでも一般にはまだ完全に普及するような時代でもなかったので、それが打鍵できるとか、ブラインドタッチで入力できるというようなことだけでそれなりに驚かれたような頃でもあった。
AOURでの打鍵
多くの人、というかほとんどの人はキーボードはローマ字入力を使っていることと思う。キーボードのアルファベットでローマ字を打鍵して、それに相当するかな文字を入力して、それを変換していくという方式である。
子音と母音を二つ打鍵して、一つの文字を入力するというのが基本の形で、それがローマ字の仕組でもある。
普通のキーボードのアルファベットの配置はバラバラで、どうしてこういう配列になっているかは諸説あるが、ともかく和文のローマ字入力のために定義された配列ではないことはだいたい皆知っていると思う。それを、アルファベットを使ってかな文字を入力するために、それに合わせて英文キーボードの配列を使っている。
それが本当に嫌だという人の中には、未だにかな入力を使ったり、以前にあった親指シフトなどの方式を使ったりして、アルファベットの配列とは無関係にやっていたりする、そういう人も居るのだろうと思う。
自分も、15年以上前から、このアルファベットの配列とはほぼ無関係な方式を取り入れて、それでかな文字を入力するようにした。
とは言え、子音を打鍵して母音を打鍵するというローマ字方式、自分は行段系と呼んでいるが、その方法であるに違いはない。ただしアルファベットのキーの配列を、キーボードの刻印とは違う並びにしている。どういうことか、どういうものなのかということを少し解説する。
普通のローマ字入力は、前述のとおり普通のキーボードの英字の配列を基準にしているが、これはQWERTY配列と呼ばれ、母音の位置に規則性はないので、習得するのに苦労して、打鍵にもばらつきが出る。QWERTYと同様の第二の配列としてDvorakというのがあり、この配列では日本語の母音の五つが偶然なのか左手のホームポジションの位置に並んでいる。
母音はローマ字入力では最も頻度高く使うキーになるが、この五つがホームポジション、すなわち最も打鍵しやすい位置に並んでいて、子音のキーのほとんどは右手側になるため、右手左手の交互打鍵になって効率が良く、しかもゼロからキーボードを習得する際には圧倒的に覚えやすく、QWERTYよりも少し高速に打鍵ができる。
自分は、まずこのDvorak配列をベースにしたローマ字入力の方式によっている。キーボードの盤面の刻印はQWERTYのままで、半角文字を入力する時は従来通りとQWERTY、和文を入力する時は盤面の刻印に関係なく、Dvorakの配列をベースにしている。ブラインドタッチで入力するので、盤面の文字がどうあろうと、基本的に関係ない。
ただ、ここまでの入力方式の改善、変更だけでは、単にローマ字入力を違う配列で入力したというだけで、少しは効率的になるものの、劇的に速いというわけではない。
日本語の音韻には、特定の典型、パターンがあって、それに入力定義を割り当てることで、打鍵数を減らし、結果的に高速に打鍵できるようになる。
たとえば、二重母音の音節とか、子音の次に撥音「ん」が来る音節などが頻度高く和文の文字列には含まれている。
「かい」という綴りの音節は、ローマ字入力ならKAIと3文字の打鍵になるが、このAIの部分、二重母音の部分に、自分はAのキー~AのキーはQWERTYでもDvorakでも偶然同じ位置である~の、すぐ上のQのキーに割り当ててある。すなわち、「かい」はQWERTYのキーボードでいうところの「AQ」と2文字打鍵したらそれで入力できるのである。
このような二重母音や撥音節に全てキー定義を割り当ててあって、あるいは他にも様々な特殊ルールがあり、それの打鍵を習得することで打鍵数は全体でずっと減って、結果的に高速かつ楽に打鍵することができるようになるというわけである。
アプリケーション設定、実装方法としては、ATOKのローマ字カスタマイズを使っている。普段使っている、変換効率の良いATOKで使えなければ意味が無いので、ATOKで実装できる前提で定義のルールを考えた。
同種の入力方式は、自分のこの方式より前にもあり、後にもあり、しかしながらATOKで完全に実装できるというものは、多分この方式以外にはない。
その後、Google日本語入力もローマ字カスタマイズ機能が登場して、すぐにこの方式が使えるようにしたり、MS-IMEでも配列変更の仕組みを介して、この方式が使えるようになっている。
さて、この説明を読んで、そんなものとても覚えられるわけがないと思うかもしれないが、母音に関係する二重母音も、撥音節も、基本は全て5つの母音キーの並びになっていて、その関係する母音の上のキーとか下のキーとか、そういう割り当てがしているので、ゼロから100まで全て覚えなくても二つか三つのことを覚えるだけで、あとは指の動きで自然に習得できるので、その負担は少ない。
定義数はATOKの定義の上限に近い550近くあるが、これらを全て覚えなければならないわけではない。定義の仕方、何故そういう定義なのかという法則を幾つか覚えると、あとは実践で自然に習得できる。
自分で定義したという点はあるが、それでも定義をしてからエア・キーボードで母音と子音の位置を習得し、合わせてそういう特殊ルールを覚えて、何とか数日で一通り打鍵ができるようになり、そこから実践と、元のローマ字入力を適宜切り替えながらやって、だいたい数ヶ月後には実用で使えるようになった。
新しい入力方式を覚える期間としては、短いとは言えないかもしれないが、その後は少しの停滞期間もありつつ次第に速度は向上して、多分今ではかつてのローマ字入力よりは高速に打鍵できているのではないかと思う。
そういう、乗り換え期間の効率低下というリスクがあるので、それを承知でも乗り換えてみたいという人にしか勧められないが、思い起こせばかつて読んだ書籍の中にSKY配列という方式があったのを思い出した。
読み返せば、考えはこの方式と同じで、母音はDvorakと反対側の右手のホームだが、二重母音や撥音節などの拡張入力定義もあって、実証実験の結果、初めてキーボードに触る学生の習得率が普通のローマ字入力のQWERTYキーボードの場合より良かったというのである。
この方式でなくても、Dvorak配列をベースとした入力方式は幾つあるし、もっと有名なものばかりあるので、少しでもそれに興味を持ってもらえたら、それで良いのである。
ローマ字入力の習得
自分がローマ字入力を習得したのはワープロ専用機の頃。キーボードというものに初めて触れたその頃だった。
当時のワープロ専用機は、かな入力が初期値だった。ワープロのマニュアルに基づいて盤面どおりのかな入力を覚え始めたが、ローマ字入力の機能があると知り、その方法にすぐに切り替えた。
かな文字をローマ字に置き換えることは、全く苦では無かった。ほぼ遊びでローマ字でよく文章を書いていたりしたので、そこは寧ろ得意でもあった。その遊びでやっていたローマ字を使ってかな文字の入力ができるのだから、そのほうが自分に合っていると思った。
打鍵数がかな入力に比べて多くなるというデメリットや、逆にアルファベットの習得も同時にできる、覚えるキーが少なくて済むというメリットは、後になって知る。ただアルファベットは3段しかないので、そのまま数字もモード切替無しに入力できるというメリットは感じたものである。
ローマ字入力は打鍵数がかな入力に比べて多いというのは間違いないが、習得できる速度はかな入力よりも早く、ブラインドタッチも早く習得できて、指の動きの範囲も小さいので、それなりに高速に入力できるようになればさほど差は無いと思える。
それでもかな入力に拘る人は少なくなく、全体の1割近くの人がかな入力を使っているとも聞く。今はもう少し減って、5%くらいかもしれない。
1文字1打鍵で入力できるのは、魅力ではある。これからかな入力を覚えるなら、JISかな入力ではなく、新JISとか親指シフトなど覚えるキーが3段の範囲で済む方法のほうが良いと思うが、どんな入力方式であっても、ローマ字入力で一つ習得してしまった後になっては、習得による効率低下のリスクがあるので、中々そこは進まない。
パソコンとワープロ
平成一桁の頃は、まだワープロ専用機も顕在で、パソコンかワープロかという選択があった。ワープロ専用機はワープロの機能しかないが、パソコンは今と同じく、ソフトウエア次第で豊富な使い方があった。パソコン通信はあったが、まだインターネットは普及する以前である。用途で比較すると比較にならないのだが、当時はそのような機械は主にOA機器ということで、文書作成の用途が主であったから、そういう比較になった。
ワープロ専用機はだいたい20万円以内で一通り揃うのに対し、PC一式は揃えると最低でもその倍、ソフトウエアを合わせたりプリンタを導入したりすると、さらに必要な経費が増えた。
今にして思えば、どう比較してもパソコンのワープロソフトのほうが優勢だと思うのだが、起動の速度は専用機の方が速く、習得するのにも操作も専用機の方が優しいし、エラーなども起きにくいとか、プリンターが内蔵されていて印字品質が高いなどの優勢な点もあって、何よりコストの面でワープロ専用機のほうが優位にあったことなどから、ワープロ専用機は家庭の用途としても親しまれて普及したように思う。
自分も、キーボードの打鍵やかな漢字変換、その他文書作成に関することは、ワープロ専用機で覚えた。機能がだいたい限られるので、概ねほとんどの機能を使いこなせるようにもなった。
学生時代はそれで十分だった。社会人になってパソコン、PC-98を購入して一式揃え、一太郎もWordも使うようになった。
複数のワープロソフトを使えるということは、専用機では考えられないことで、あたかも何台ものワープロ専用機がPCに備わっているような感じであるので、そこは圧倒的に優位というか、使い比べたりそれだけバリエーションが豊富ということは満足のいく点でもあった。
ほかにも、ファイルがパスワードで保護できるとか、FEP、IMEの単語登録数に制限がなく品詞別に登録できるとか、そういう専用機では考えられないような利点があって、様々面白い使い方もあったが、PCとソフトウエアの起動速度、プリンタの品質や速度はイマイチで、そこは不満が残った。
ワープロ専用機ではオプションで外付けのROMを取り付けたりしてようやく何とかできていた表計算も、PCではソフトウエア、要はExcelを導入するだけでずっと高度なことができたのも面白かったが、これは基本的にワープロの比較とはまた別の話である。
ソフトウエア単位での話しということになれば、今度はワープロソフトとテキストエディタの話しも出てくるわけだが、それもまた別の話である。
ともかく、ワープロ専用機で作成した文書は、MS-DOSテキストへの変換オプションを経由してテキストファイルにして、それをPCに取り込んで再利用ができたので、それまでワープロ専用機で様々作成した文書類などもほぼ無駄にはならずに使い続けることができた。
US配列を使う
US配列のキーボードを使うようになったきっかけは、先人たちがそのほうが利点があるというのと、そういう選択肢があって使えるなら使ってみようという思いから、15年かそれ以上前にそれを使うようになって、以来ずっとUS配列である。
和文入力、IMEの切り替えに支障があって、コーディングなどの作業なら良いが文章書きにとってはUS配列のほうが不利だと思われがちだが、全くそのようなことはない。
US配列の最大の欠点は、IMEの切り替えができないと思われている点にある。コンビネーション操作でできるが、変換キーや半角/全角キーがないので、そこが最も不便だと思われているようだ。
だがこれは、好きなキーに割り当てをしてしまえば、寧ろずっと便利になるので、全く不利な点ではない。
たとえば自分はCtrl+スペースにその切り替えを割り当てているが、この操作のほうが切り替えるか否かがはっきりするし、加えてCtrlキーはホームポジションというか、Aのキーの横のCapsと入れ替えているので、打鍵しやすく、半角/全角キーでの切替よりも便利である。
カスタマイズ前提なら何でもありと言われると思うが、それで便利になるのだから欠点とは言えないのである。
もう一つは、キーの配列が異なるという点もよく取り沙汰されているようだ。
だがこれもUS配列の方が合理的な配置になっていて、円記号¥もそれに相当するキーを知っていれば容易に入力できるに過ぎないので、これこそ全くいわれのない欠点と言える。
それにしても、普通のユーザにとってはUS配列のキーボードはハードルが高いと思われるのは仕方ない。普通のユーザがいるからこそ、パワーユーザというか、US配列を使う層が際立つ点もあるので、その選択がわかれることは特に問題ない。
そう思いながら、十数年ずっとUS配列を標準で使いこなしているので、すっかり自分はUS配列派になってしまっている。
それでも会社のPCはJIS配列だから、これはもうどうしようもない。外付けのキーボードを付けるにしても切り替えの管理者権限を行使することは認められないので、もう仕事では諦めてJIS配列を使うしかないということのほうが、US配列が認められていない点と合わせて不満である。
ただし、絶対的にUS配列が良いかというと、JIS配列も意味はあると思うので、使ってはならないという程には思わない。
今後、日本のメーカーがPCからどんどん撤退が進めば、JIS配列のキーボードを搭載するハードも少なくなっていく可能性もあるが、それでもこれだけ普通に普及しているJIS配列であるから、そう簡単に市場から無くなるということは考えにくい。
キーボードに関しては、かな入力とローマ字入力くらいに、ユーザの好みで簡単に切り替えられるような展開になっていけば良いのではないか。
改めてUS配列派
自分はUS配列を使うっている。コーディングなどを生業とするような、あるいは英文を大量に入力するような者でもなく、どちらかと言えば和文の文章を多く書くというほうである。こう聞くと、それではUS配列で不便なのではないかと思われがちだが、それでもJIS配列ではなくUS配列のほうを使っていて、これで全く支障が無い。
よく言われるのはIMEのオンオフが一つのキーでできないということで、US配列では不便ではないかと思われている。US配列では標準でAlt+`のキーにIMEのオンオフが割り当てられていて、半角/全角キー一つで行えるJIS配列より不便なのではないかという危惧である。
しかし、自分はこのIMEのオンオフをCtrl+Spaceに割り当てていて、しかもCtrlキーはCAPSキーと入れ替えて、Aの横にあるので、左手小指を一つずらすだけで、あとは親指で大きなスペースキーを押すことで簡単に切り替えられる。単一キーで操作するとしても半角/全角キーの位置はホームポジションから遠いということを考えれば、ほとんど手を動かさずに操作できるので、寧ろこのほうが楽であって、JIS配列のキーを使う場合でもこの割り当てにしているくらいである。
また、Enterキーが小さいということもUS配列に関しては危惧されているが、これも心配無用である。右手小指をキー二つ分ずらすだけでEnterキーを打鍵できる。これがJIS配列ならもう一つ分遠い位置にEnterがあるので、いくらキーが大きくても良し悪しである。要するにUS配列ではEnterキーがこれもホームポジションに、JIS配列よりも近いので打鍵しやすい。
変換キーや無変換キーがないということも危惧される点の一つかもしれないが、それらキーは、JIS配列にあっても使わない。変換操作はSpaceキーで行うし、無変換キーは、特に使う場面が思い付かない。JIS配列にあっても使ったことはないかも知れないくらいである。むしろ、そのキーがあることでATOKのモードがおかしくなってしまい、修正するのに毎回苦労するくらいなので、それらキーはなくて差し支えない。すなわちUS配列のほうがその点でも便利である。
そのほか、記号の配置はUS配列のほうが合理的になっている点もあり、BackSpaceキーもJIS配列より大きく、ホームポジションにも近いので打鍵しやすい。円記号の入力も、それとバックスラッシュが同じコードにあるという基本さえ知っている人なら、Enterキーの直上のキーで入力できることは容易に想像が付く。「」のキーも左右に並んでいたり;と:が同じキーに割り当てられていたり、あるいはキー数の関係もあるのか、キーボードの中心のバランスがJISより整っているので、長文入力になればなるほど疲労感が少ないなど、寧ろUS配列を使った方が、便利で効率が良いと思う点が多数ある。
JIS配列キーボードはそもそもJISかな入力を便利にするためのものであって、ローマ字入力がほとんどの今になっては、ひらがなの刻印が邪魔とは思わないものの、あえてJIS配列でなくても、US配列でも十分に機能は果たすのである。和文入力においても、US配列は有用であるわけだ。
今後、そういう状況が浸透して、加えて日本のメーカーがPC市場から撤退していくような状況があれば、開発ベースはJISではなく世界標準のUS配列となり、JIS配列を選択することのほうが不利になる面も出てくるのではないかと予想する。数十年という長期的な視点で見れば、US配列が我が国でも標準になっていくとも思える。
一太郎Padを使ってみる
少し前に、ようやくスマホ化したということもあって、思い出して一太郎Padという、一太郎とスマホを連携できるアプリを使ってみる。
説明に従ってインストールと設定をしたら、スマホで書いた文章、メモ、写真から取り込んでスキャン、OCRしたテキストが簡単に一太郎側に取り込めるというもの。
今は既になくなったと思えるATOK Padのようなメモアプリをスマホ側において、スマホで入力したものを簡単にPCと同期するような、そんなアプリであるようだ。
PCとの同期は、PC側の一太郎と同期する形で、同じネットワーク内のWi-Fiにスマホが接続している際に、連携できるというものらしい。
使ってみたところ、OCRでの取り込みができるのは便利だ。メモアプリは、PC側と同期できるという点では他にも多くのサービスがあるので、これは特段どうというのでもないかもしれない。
キーボード環境
これまで、様々なキーボードを使ってきた。古くはワープロ専用機のキーボードで、それからPCではPC-98のキーボードに始まり、普通のノートPCのキーボード、普通のメンブレンのキーボードの後、メカニカルの茶軸や黒軸、赤軸、静電容量無接点へと変わってきた。
今は、会社PCが普通のノートPCのパンタグラフキーボードで、自宅ではRealforceやHHKBを使っている。自宅キーボードの配列はUS配列である。
そういう環境で、入力方式も普通のローマ字入力ではなく、Dvorak配列をベースにしたAOURをATOKで使っているし、CtrlとCapsLockキーを入れ替えていることだとか、テンキーレスキーボードの左側にあえてテンキーを置いていることなど、それなりに特殊な使い方をしているようにも思う。
それでもキーボードでの入力はPCを使う上での基本であるので、これが無ければ何も操作できず、重要なインターフェースであることに変わりは無い。
今後もこのような方式でのキーボードでの打鍵をして入力を行っていくのである。
ブラインドタッチを覚えた頃
ブラインドタッチは、学生時代に独習で覚えた。独習とは言っても、全くの独学というのではなく、当時手にした書籍、増田忠氏の増田式キーボード習得法のローマ字編で練習して、比較的短期間でできるようになった。
実際、その時点でもキーボードを見ながら、適当な指でそれなりに高速に打鍵はできていたから、担当の指を決めて、その書籍のカリキュラムに沿って練習していくこと、毎日短時間の稽古を続けていくことでさほど時間がかからずにブラインドタッチができるようになり、益々打鍵の速度は向上して、本当にキーボード見ずに打鍵ができるようになった。
最初の目的としては、キーボードは見ずに、よそ見をしながら打鍵できるということであって、確かにブラインドタッチができればそれはできるのであるが、テレビを見ながら打鍵ができるかというとそうではなく、ちゃんと入力した文字を確認しながらでなければ満足な打鍵はできないようになった。
しかしまだ自分がブラインドタッチを覚えた当時は、周りにできる人は多くなく、打鍵をしてみせるとだいたいそれなりに驚かれたものであった。
今ならそれができても割と普通であるので、それはもう特殊な能力というのでもなくなってきているものの、自分の年代ではまだできる人は多くないのかもしれない。
自分独自の方式で入力していることについては、あまり周りには言わないが、これのほうがずっと特殊であるわけだ。
既にその書籍は手元にないと思われるので、具体的にどういう手順でどういう練習をしてきたかは定かではないが、学校などで教わる方法とは少し異なった方式であったと思われるものの、結局その方式で自分も問題なく習得できて今に至っているわけであるから、この方式は自分のタイピング技能の原点でもあると言えるわけである。
周りを見れば、実際きちんとタイピング、ブラインドタッチができている人はそう多くはないかもしれない。
関連の調査によれば、ブラインドタッチができる人は現役世代の3割程度というが、自分の印象ではなお少ないという感じがしている。PCを扱う仕事の部門の人などでも、完全にブラインドタッチという人はほとんどいない。だいたい、手元をチラ見か、あるいは手元を見ながら打鍵している人が多い。ただし、入力速度はそれなりに速い。
AOURの方式に変えた時、ブラインドタッチは有効であった。これができなければ、このような新たな配列・入力方式を習得する意欲さえ湧かなかったと思われる。AOURは、QWERTYキーボード上で実装する方式でもあり、盤面の刻印とは無関係なので、基本的にブラインドタッチができている必要がある。それができていない人の場合でも体感で習得することは可能だが、Dvorak配列に基づく母音の位置との関係などは、どうしてもブラインドタッチができたほうが圧倒的に有利に働く。俄、でも、おそらく問題ないが、ブラインドタッチというより、きちんとホームポジションを守って打鍵できるというスキルが必要になるのである。
今では、PCよりスマホのほうが普及率は多分高い状態になっていると思われるので、若い人などはPCは、キーボードは苦手であるがスマホのフリック入力は得意という人が少なくないと思われる。
自分はまだ全く逆で、フリック入力は苦手である部類だが、今はそういう時代である。
ローマ字入力ではない方法
文字入力をする時、自分はローマ字入力を使っていない。かと言ってかな入力でもない。以前ワープロ専用機時代に一定のシェアを持っていた、親指シフト方式というものでもない。
Dvorak配列という、普通とは違った並びのキーボードを基礎にした方式である。
それでも、基本は子音+母音というキーの並びでかなを入力していくので、この点ではローマ字入力の仲間と言っても良い。それなら何が良いのか、ここまでの話では全くわからないかもしれない。
Dvorak配列は日本語で使う五つの母音が左手のホームポジションに綺麗に並んでいる。普通のキーボードなら、「あ」と「え」は左手だが、「う」「い」「お」は右手、「あ」は中段だが、それ以外は上段のキーと、並びに規則性がない。
Dvorakは左手中段に「あ」「お」「え」「う」「い」の順で並んでいる。
これの何が効率が良いかというと、ここに母音が並んでいるのに加え、多くの子音が右手にある。つまり、子音+母音の打鍵は右手と左手、概ね交互になるので、それだけで打鍵の速度と効率が向上する。
しかしここまでなら、まだローマ字入力と比べての圧倒的な利点とも言えないと思うが、自分の入力方式は、拡張入力など呼んで、文字のつづりに多く使われる並びに、キーの定義を割り当てている。
たとえば、「かい」という綴りは、ローマ字入力では「KAI」の3打鍵だが、この「AI」の部分は母音が並んでいる二重母音の部分で、このようなつづりは結構多い。これに専用のキーを割り当てて、「かい」などを2打鍵で入力できるようにしてある。
こういう省入力というか、専用のキー定義を多く持っていて、それを覚えて使いこなすことで、ローマ字入力の7割程度の打鍵数で同じ文字入力ができてしまう。
「しょうがっこう」は、ローマ字入力では「syougakkou」10打鍵だが、自分の方式では、「bwuaziw」の7打鍵で済む。この例ではシフト操作がない分、かな入力より少ない。「bw(しょう)ua(が)z(っ)kw(こう)」である。
ローマ字入力より覚えることが圧倒的に多いのではないかと思うだろうが、上記のとおり、母音キーが規則的に並んでいるので、こういう拡張ルールも規則的に配置してあり、幾つかのことを覚えるだけであとは全て応用でできるようになるのである。もちろん、例外はある。
ずっと一太郎
IMEがずっとATOKなら、ワープロソフトもずっと一太郎である。
ワープロ専用機からPCに移行する時、その時点での選択はみんなが使っているというのが主な理由で一太郎しかきちんとした選択肢はなかった。それがもう少し前なら、松という選択もあったかもしれないが、とにかく、PC-98でワープロソフトということならもう一太郎であったのだ。
実際、ワープロ専用機のインターフェースというか、用語も類似していたり書式設定など基本的な方法、操作体系も共通している部分が多く、専用機からの乗り換えもそんなに戸惑いなくすることができたと思う。
基本はそうして一太郎に移ったが、概ねその頃からMS-Wordも対抗馬的に出現してきて、PCにおいては専用機と異なり共存できるので、Wordも比較のために使ったりもした。それ以外でもワープロソフトには興味を持って、他の環境で使ってみたりもしたかもしれない。
数年後には、Wordのほうが標準的になってきて、仕事でもWordのほうになったこともあったり、32ビット化の一太郎の出来がイマイチで不満も募って、そこからしばらく一太郎からは離れてWordばかりを使うようになった。
Wordを使えばそれが当たり前になるので、それで大きな不満も生じなかったが、やがてOpenOfficeなど無料版のオフィスソフトなども出て、必ずしもWordが必要とも言えなくなってから、特に自宅PCではプレインストールのOfficeも選択せず、そういう無料版のOfficeのアプリで済ませていたりした。
それでも、しばらくするとやはりきちんとした印刷物が作成できなければ困るようなこともあって、再びちゃんとしたワープロソフトを検討して、要は再びMS-Wordにするかどうかという検討をしていると、顕在一太郎は様々なアプリケーションが同梱されて購入しても得であるし、何より日本語文書作成にどんどん特化した機能が充実しているようで、再び一太郎をそこから毎年購入するようになった。
上位版の一太郎だと、毎年様々なフォントやATOKの辞書が付属してきたり、グラフィックソフトの花子やメーラーShurikenなど、それが一気に揃うのは魅力的であった。今では、MS-Officeと互換性のあるJust Officeが付属していて、一太郎を購入したらほとんどOfficeも使えるみたいなことになっているので、それで十分である。
本体の一太郎としても、和文文書作成、文芸作品の作成などの機能を毎年強化していて、それは我々が普通に日本語の文書を作成する基本であるから、舶来のWordよりもやはりずっと文書の文化との親和性が高く、これを選択しない手はない。役所など公的機関が一太郎に拘っているのも理由は理解できる。
そういう訳で、決して自宅で使用頻度は高いとは言えないものの、それでも一太郎をずっと使っているわけである。おそらく今後もこれを使い続けていくつもりである。
Wordとの違いは色々あるが、単純に言えばやはり和文の文書作成のことをよく考えられているという点はWordとの大きな違い。Wordは英文文化に合わせた文書作成を強いるのに対して、一太郎は和文の伝統に合わせた文書作成ができるようになっている。ずっと昔の一太郎から機能は踏襲されていて、罫線もワープロ専用機の感覚と合っている面もあり、欠点もあると思うが基本的に使いやすい。ショートカットキー、ESCメニューも便利であって、マクロも日本語で書けてわかりやすい。自分はドラフトモードを標準的に使うが、そういうエディタ的なモードがあるのも、ワープロ専用機的ではある。
プリンタ履歴
PCを使うようになった頃、最初に導入したプリンタはHPのインクジェットで、初めて自宅でカラー印刷ができるようになったものだった。
しかしながら、印刷速度は非常に遅く、カラー印刷も解像度が低いせいで満足できる者ではなく、さほど多くは使わずにPCでの画面で何でも確認するという方向で使用頻度は少なかった。
そういう反省から、しばらく自宅ではプリンタは不要と思って、ずっと買い換えずにいた。実際それでほとんど間に合っていた。
だがそれから7、8年ほどもして、DVDのラベル印刷ができるものだとか、写真の印刷ができるものだとか、そういうものがあったら良いと思い、Canon PIXUS IP4200を購入した。これが何年前だったか、2009年頃かもう少し前、そのくらいだったかと思う。
これは当時写真の趣味で同じCanonの一眼レフのカメラで撮影した写真をそれなりに毎回印刷したりして、随分と活躍させた。5色独立インクの機種で純正インクのほか、コストを考えて互換インクも使ったし、詰替インクにも挑戦してみたが、それが悪かったのか内部でインク漏れを起こしておかしな汚れ方をしたりして、加えてその頃は毎年新しいプリンタ機種が発売されてWi-Fi接続ができるようなモデルのほうが良いというようなことにもなって、買い換えに至った。
そうして2011年頃に買い換えたのはMG6130で、6色独立インクのプレミアムモデルで、質感やデザインは満足できるものではあったが、最初から液晶パネルにドット欠けがあってずっと気になりながら使い続けなければならなかったのと、毎回の起動が遅く、ほとんど起動の度にインクを浪費するように設計されているのではないかと思えるほどメンテナンス動作が頻繁で、コスパは悪かった。これも後年は互換インクは使って、そのせいかどうか、やはり内部に謎の汚れが生じていたが、やがて廃インク吸収体が限界になってきたとの警告を受け、10年使って次の買い換えに至った。
6色インクで、5色の時とどこまで写真の綺麗さが改善したかは、自分の目ではよくわからず、5色のiP4200でも十分満足できる品質であったし、6色のコストも考えて、次は5色モデルで十分と思うようになっていた。
従って、割とスタンダードなモデルのラインのTS7530を2021年に購入した。価格もこのグレードのものなので20000円台であった。Wi-Fi接続も5GHzに対応しているし、あとは後トレイや両面印刷にも対応している。DVDなどのラベル印刷機能はないが、今はもうそれはほぼ使わないのでそれで十分かと思った。
インクもやはり5色のもので十分な品質があって、どういうわけかこの機種は前モデルに比較してメンテナンスの頻度も抑えられて、必要なときにすぐ印刷できたりして、前の高価なモデルよりずっと快適である。公称値のインクコストは他のモデルより高いとされているが、それでもインクの浪費と思えるような動作がなく、インクも十分長持ちするのでそれぞれの使用頻度によるところが大きいものの、自分としてはその分のコストはほとんど気にならないくらいである。
プリンタとしての使用頻度が減っているというのもあるが、全部のインクを一通り変えたのは使用開始から1年くらい経ってからで、しかもその最初のインクは付属の動作確認用インクであって、これは十分に満足のいく消費率である。
このモデルは今現在に至る2年で後継モデルが出ないで生産・販売が続いているようで、それはメーカーCanon側の方針によるところではあるが、おそらくそれなりに台数は出ている、あるいは予定の販売台数にまだ達していないような、プリンタを巡る状況の変化もあるのかもしれないが、そういうモデルである。
スマホからのプリントの機能も充実しているようであるが、まだそこは使っていない。スマホから印刷する必要性に駆られていないのである。
そういうモデルであるから、比較的長寿命で今後もずっと販売台数を増やしてこれが標準の一つのなるのかもしれないが、よくはわからない。
これの純正インクは、今のところこの機種専用で、対象機種が1機種のみのインクの種類である。本体がどれかで普及するかにもよるが、その点使われる機種が少ないと今後の供給にも不安が残る。
本体キーボード
普段このThinkPadは外付けのキーボードというか、RealforceなりHHKBなりを接続して使っているので、PC本体のキーボードを使う機会がほぼない。
だが、ノートPCは本来、この本体キーボードを使うことを想定しているものであるので、たまにドックから外して本体だけで使ってみる。
外付けはモニターも同様なので1920×1200の解像度の本体モニターも、起動時以外は使うことがないが、同時にこの本体モニターも使ってみるというか、やはりこのモニターも本来はこうして使うことが想定されているものである。
外付けのキーボードやモニターが普通に使えるということを知らなかった時は、ノートPCはずっとこういう状態で使っていたのであるから、寧ろこれが普通の使い方ではある。
ThinkPadのキーボードは打鍵感が良いと評判である。自分のモデルくらいの新しさになると、薄くなって打鍵感は落ちたと言われるが、それでも自分として特に悪いと感じるようなことはない。Realforceなどと比べると、モノが違うのでなんとも言えないが、単にノートPCのキーボードとして考えると、特に実用に耐えないとか、そんなことはない。これで十分とさえ思えるような、何も悪くない品質である。
モニターの、このFHDとは違った少しスクエアに近づいた解像度比率も、快適である。そもそも、横長FHDが主流になる前は、4:3比率のモニターが標準だった。それがハイビジョンテレビの関係なのか、16:9が当たり前になったから、そうなったというだけのことである。
ThinkPad T14のこのPCのキーボードの打鍵感は、しかしやはりRealforceなどに比較すると少し重い感じがあるパンタグラフかもしれない。いや、内部の構造はよく知らない。タクタイル感と表現して良いのかどうか、少し力を入れなければ打鍵ができないのは、ミスタイプを減らすという効果はあるのかもしれない。配列は標準的なUS配列のものであって、キーピッチも標準的なものが確保されているので、打鍵で不都合とか不便だとか思うようなことはない。文字入力の作業については、何ら支障はないのである。