大ヒットした富士フイルムの「写ルンです」等、使い切りカメラのデジカメ版とも言える使い切りデジカメが登場するらしい。
廃棄された携帯電話を再利用し、画素数は300万画素、27枚あるいは50枚撮りのデジカメで、価格は1280円~1980円とのこと。画像はメディアに保存されるのではなく、カメラの内蔵メモリに蓄積され、指定のショップに持ち込んで1枚37円でプリントをして貰うのと共に、焼き増し用データとしてCDに書き込んでくれる。
現時点ではどのようなカメラになるのかはまだ不明で、液晶のモニタが付いているかどうかもわからない。しかし失敗した写真はその場で削除して、枚数分までは取り直しができる仕組みであるようだ。
果たしてこのようなカメラにメリットはあるのか。
確かに、現行で写ルンですなどの使い切りカメラを使っている人にとっては、フィルムがデータに変わると言うだけだから、需要は見込めるかも知れない。画質的には携帯電話レベルと想像するが、画素数300万ならば、まあL版の大きさでだいたい問題なく鑑賞できる程度で、あまり大きく引き伸ばすには適さないレベルだろう。
既に普通のデジカメを持っている人にとっては、あまりメリットを感じない。デジカメの利点は、撮ったその場で結果が確認できる事、写真データがすぐにプリント・アウトできたりパソコンで加工できたりする事だ。使い切りデジカメでは、撮影結果はその場で確認できるのかも知れないが、プリント・アウトは不可能であるようだし、データの加工も、従来のフィルムカメラでいうところの「DPE」処理を待たなければならない。つまり、自分で全てできないのだ。無論、その都度料金もかかる。
金額的な部分でも、1980円という価格設定は微妙だ。10台分、写真500枚分で普通に実用的なコンパクトデジカメが買える。自家プリントでもショッププリントでもプリント代はかかるから、これはどちらも同じ。
どうも、既にデジカメを持っている人にとっては、あまりメリットを感じない。写ルンですのデジタル置き換えと考えて、旅行先などでのカメラ不携帯時にどうしても必要になった場合の予備機というような位置づけにしかならないのではないだろうか。