Excelを表計算ソフトとしてだけではなく、ワープロソフトとして使うというのは賛否両論あるが、そういう人は一定以上いるようで、ワープロ的な使い方も定着している。Excelさえあればワープロはいらないというのは極端だが、文書の種類によってはExcelで用が足りるという場合もある。
自分としては、文書作成に関する機能はすべてワープロにのみ搭載して、表計算ソフトは計算機能専門のソフトとなって欲しいと思うほうであるが、実はExcelをワープロとして使う方法にも関心がある。
「エクセルをワープロ的に活用しよう!」
こんなページの記事があって、Excelをワープロとして使うということは結局こういうことなのだろうと思うのだが、この程度のことであれば無論Wordや一太郎で問題なくできるし、インデントの設定などはむしろワープロソフトのほうが得意で綺麗に仕上がる。セルからあふれて文字が印刷されないなどの問題もワープロソフトでは起こりえない。
ところが一方で、計算式を含んだ表やグラフを文書内に含む場合、営業報告など毎月更新するようなものの場合は特に、Excelなど表計算でなければうまくいかないし効率も悪い。
Excelの印刷機能、ワープロ的機能がもっとWord並にちゃんとしたものであれば、Excelをワープロとして活用するというのは理に適ったことだと思うが、MSの戦略的なものでどうもその部分は何時までたっても中途半端だ。Wordが売れなくなるからだろう。
今後もこの戦略にするなら、Excelの関連仕様はもう少し向上させるべき。表示ではセル内に収まっているのに印刷したらセルからはみ出ているなんて愚かな仕様はいつになったら改まるのか。
営業的な観点はさておき、自分の理想としては、文書はワープロ、表の作成と計算は表計算という専門分野の棲み分けである。表計算ソフトから、見栄えに関するコマンドをほぼすべて外してしまうべきだ。印刷機能は残しておくとしても、テキストエディタのようなベタな印刷程度にする。
きちんとした表やグラフの形式で印刷するには、ワープロの文書へOLEで貼り付けて、ワープロ側で整形できるようにしてはどうか。計算式の修正などは表をダブルクリックしてExcelを起動するという従来の方法。セルの配色や罫線の種類、セル幅や高さの調整など見栄えに関する部分は全てワープロ側で行う。役割的にもExcelは表計算におけるテキストエディタのような存在として、きちんとした形で印刷する時は全てワープロソフトとの連携を必須にするのである。
オフィスアプリケーションは、そうやって連携すべきと考えているが、おそらくこの先もそうはならないのだろう。