一太郎のパスワードに関する問題二つ

投稿者: | 2017-03-04

しばらく、ちゃんとしたワープロソフトを持っていない状態が続いていて、LibreOfficeなどでは限界もあったので、2012年から再び一太郎を使うようになっている。一太郎を選んだのは、国内メーカー製品擁護というのもあるし、ATOK同様に日本語や日本における文書文化をきちんと理解して、その文化を守り引き継いでいこうとする姿勢が現れているのが一太郎しかないからである。昔使っていたという懐かしさもある。
以来ずっと一太郎をメインで使い続けているが、二つの困ったことに遭遇した。いずれもファイルのパスワードに関連することである。
一つは、パスワード付ファイルを開く時のパスワード入力ダイアログが日本語入力状態になってしまうことである。モードを切り替えれば解決するし、軽微なことなのかも知れないが、実は厄介なのである。
パスワードは普通半角英数を使うし他のアプリケーションなどではそういう状態には鳴らないため、日本語入力状態になっているとは思わずにそのまま入力してしまい、ローマ字変換されて入力内容が表示されてしまう。この場合はアスタリスクでマスクもされないので、会社などで周りに人が居る状態だとスキミングされてしまう可能性がある。また、気付かず誤って確定してしまうと、確定履歴や辞書に未登録語などとして登録され、推測変換候補として表示されてしまうことも考えられ、他人が使うパソコンなどではその語から本来のパスワードが類推されてしまうなども有りうるため危ない。
この現象は一太郎2012、2013辺りで発生していていつの間にか修正されていたようなのだが、先日一太郎2017でクラシックタイプの画面に切り替えて使っていたところ再びこの問題に遭遇した。自分はオリジナルタイプの画面を使うし多くの人もそうだろうと思うのであまり問題にはならないのかも知れないが、注意したいところのものだ。
もう一つの問題は、より深刻である。ある条件で作成したパスワード付一太郎ファイルが壊れてしまい、ファイルを失ってしまうというものである。開こうとするとファイル破損のメッセージが出て、それに従って修復してみても失敗し、完全にどうすることもできずにそのファイルが二度と開けず、使えなくなってしまう。
自分が調べたところ、簡易作図や罫線、POP文字などのグラフィック要素が含まれていて、ファイルサイズがやや大きめの状態、それにAES128の暗号化方法によるパスワードが付加されているファイルで発生しやすい。AES128以外の暗号化方式では起こらなかった。
対策としては、AES以外の暗号化方式を使うしかない。
これは一太郎2014か2015くらいまでは同様の状態だったが、最新の一太郎2017では修正されたのか、同じような状態を作り出してみても今のところファイル破損は起こっていない。ただし、一太郎2017でも過去に破損したファイルの修復は出来ない。
これらの問題は、自分のところの一太郎環境だけではなく他人の環境でも同じ条件で発生しているので、再現性もあるとは思うが専門的に調べられるわけではないので原因も対策もよくわからない。
ただ、傾向を見ると新しいバージョンでは修正されてくる可能性があるので、一太郎に限らずソフトウェアは最新のものを使うのが基本になるのだと改めて考えたところである。
時々、そういう問題に遭遇することはあるのかもしれないが、基本的には30年以上も使われてきた老舗のソフトであるので、ATOKと共に日本の文書作成文化に溶け込んでもうなくてはならないものの一つであることに変わりはない。
また、本題には関係ないが、文書校正のため「詠太7」でこの記事を読み上げさせたところ、一つの読み誤りもなくスラスラと読み上げたのに驚いた。読み間違いをするような表現がないだけなのかも知れないが、あたかも文書の内容を理解して複数有る漢字の読みからも正しい読みを選択しているように思える。……と思ったら「一つの読み誤り」を「ひとつによみあやまり」と読んだように聞こえるのだが……。


(追記)
http://aptpriority223.sblo.jp/article/112988525.html
過去にここでも書いたが、二つ目の問題についてはJTDC形式で発生する。
JTDCの形式の実態は多分7-zipの方式で、それとAES暗号化のモジュールか何かが良くない組み合わせなのかもしれないと思ったり。