Logicool MX MASTER/Anywhere 2S/3

投稿者: | 2022-05-08
MX Anywhere 3

Logicoolの高価格帯マウスなど各種のLogicoolマウスのほか、その直近ではMicrosoftスカルプトエルゴノミックマウスなどBluetooth接続のマウスを使っていたが、今から4年ほど前の2018年春に、店頭で見て思い立って、Logicool MX MASTER 2Sを購入して使い始めた。程なくして、もう一台のPC用に、MX Anywhere 2Sも導入した。

それまで、Logicoolの高価格帯マウスはAnywhereタイプの大きさのものばかりを購入していた。当初のM905はノート用の最高級マウスという位置づけで、VX Revolutionなどはデスクトップ用として、かなり大きなマウスでもあった。何度も店頭で触ってみたことはあるが、大きすぎるし重たくて自分には向かないと思って、結局そのラインの製品はずっと選ばないでいたのであるが、MX MASTER 2Sに至ってはMSのマウスでだいぶ大きめなものを使っていたし、ブルーのボディカラーも気に入ってついにその大型マウスのラインのものを使ってみることにしたのである。

結果はもちろん快適で、当面これを上回るマウスはないと考えて、ならば比較のためもあって、モバイルPC、ノートPCにも適した小型のMX Anywhere 2Sもブルーのカラーのものを導入し、2台のPCで使い分けることにしたのである。

LogicoolのマウスのツールであるSetPointは、あまり必要だという印象は無く、初期値設定のままで十分使えたので、そういうアプリケーションは使わずにずっと2台のPCで使い続けた。
大きさは二つ異なるが、どちらもグリップ感や手触りの質感が良く、接続の安定性も良い。内蔵のバッテリーも、最初はどうかと思っていて、それで大型マウスを選ばなかったということもあるのだが、乾電池式のは乾電池の重みで電池のホールドがやがて悪くなり、バッテリーの接触不良を生じたりもしたので、寧ろ内蔵式のほうが良いのではと思った。USBケーブルで充電するのも悪くないとは思った。

実際、どちらも2Sはバッテリーの持続性は良好である。フル充電で70日使えるとあるが、自分の使い方で概ねそのくらいは十分に使えるので、充電する機会は少なく、あまり気にすることなくずっと使い続けられるという感じがした。
ただし、充電のUSBケーブルを繋ぐと、充電しながら使い続けることができるが、今更有線マウスのようでその状態では使いづらい。尤も、USBケーブルは充電だけで、それでマウスが接続されるわけではないのであるが。

そのうちに、MX MASTERもMX Anywhereも3がリリースされて、新しいモデルに置き換わったが、2Sで十分満足できていたし買い換えるには高価なものなので、特に3についてはそんなに違いは無いだろうと、興味を持たずにしばらくずっと2Sを使い続けていた。
しかし、それも4年が経過して3のほうも普及し、YouTubeの動画で3のレビューも非常に多く、あるいはもう次のVersionがリリースされるのかというところで、再び思い立って3を使ってみることにした。

今回、MASTERもAnywhereも2Sと同じブルーのモデルはない。MASTERはブラック系とグレー、Anywhereはブラック、ホワイトとローズである。色が選択の第一というわけではないが、2Sのブルーは気に入っているので、同じ系統色が良いとは思っていたのである。
結果的には、MASTERはグレーのにしようかと思っていたが、店頭に無いので法人モデルのブラックを、Anywhereは多くの人が選択しているホワイトにした。

MASTER 3

2Sと比較してややコンパクトな印象を受けるサイズだが、手のフィット感は3のほうが良い。横方向のスクロールホイールと進む戻るボタンの配置が変更になった。2Sはやや奇抜な配置だったが、これも使いやすかった。それに比べると3の配置や形状は割と普通の者であるという印象である。横ホイールはそんなに頻度高くは使わないが2Sのほうが位置的には好みである。
中央ボタン部に位置するスクロールホイールはもちろんラチェットモードとフリーモードの切替は同様で、ラチェットモードもカリカリ感が薄くなって上品になった感じがあり、また全部金属部品になってメンテナンスもし易くなったのではないかと思い、こちらは3のほうが良い。

ただサイドボタン部分については、2Sのほうが好みである。変型ではあるが一箇所にまとまっていて、親指をずらすだけで戻るも進むもホイールも操作できる。3のほうは、どのボタンを操作するにも指をきちんと動かさなければならない。特にホイールは親指を上方向にずいぶん大きく動かさなければならないのが、慣れない。

Bluetoothによる接続の安定性は2Sも3も同じで、その点はどちらも問題ない。
充電は、3のほうがType-Cになったということで高い評価がされているが、自分としてはそこまで深く利点だとも思っていない。ただし、ケーブルを装着する時に上下を確認しなくても良いという点は嬉しい。ただ、装着と取り外しがやや固い感じがあり、コネクタを取り外すときに変な力を入れて破損してしまわないかと心配があるのは、2Sも3も同じであった。
おそらく、バッテリーの持ちも自分の使い方ではカタログ値くらい、1月半くらいは持つのではないかと考えるが、その点も良好である。

今回、Logicool Optionsという、Setpointに代わるアプリケーションを導入してみて、ボタンのカスタマイズが幅広くできるということを知り、便利そうだと思う反面、そんなに強くマウス操作に依存して使うアプリケーションが無いということにも気付く。ブラウザ操作はタブはキーボードのショートカットを使うし、戻る進むは専用のボタンがあるのでそれで間に合う。
アプリケーション毎に設定もできるようだが、使うアプリケーションは限られていてさほど多くなく、あまり恩恵は受けられないかもしれない。
結果的には、このようなカスタマイズに頼らずに標準機能の割り当てで十分ではないかとも思っている。

Anywhere 3

2Sと比較して、サイズ感や形状の違いは大きな物を感じない。コンパクトサイズということで収まっているので、手へのフィット感も同じではないとしても2Sも3も違和感は無い。ただ質感は、3のほうが高級感がある手触りで好感が持てる。
3で大きく変わったのは、スクロールホイールで、これがMASTERと同じくラチェットモードとフリーモードとの切り替えが自動でできるようになった。また、ホイールも全金属パーツになった。
横方向のスクロール割り当ては、ホイールを横方向へ押すのではなく、進む戻るボタンを押しながらのホイール操作となったが、これは正直使いづらい。このサイズで横スクロールの仕組みを入れるのには無理があるので仕方がない部分なのであろうと思う。

その横スクロールもそうだが、ラチェットモードの切替も、Window 8.1の環境では機能しない。そもそもWindows 8.1には公式には対応していないとしても、まだWindows 8.1はサポートが終了していない環境であり、この製品も接続により動作するのであるから、そこはきちんとサポートして欲しい所である。おそらくこの事情はMASTER 3も同じであろう。

こちらも、Bluetoothによる接続の安定性については問題なく、また充電のためのUSB-Cケーブルを巡る事情や、バッテリーの持ちに関してもMASTERの場合と同様である。

Logicool Optionsについては基本的にMASTERの場合と同様であるのだが、このAnywhere 3を使う環境が実はWindows 8.1で、公式にはこの3はWindows 8.1には対応していないため、Logicool Optionsでマウスを認識してくれない。ホイールのラチェット感、引っかかり感の調整もできるようなのだが、それは別のWindows 10機のほうで試すしかないのは残念な点である。Windows 8.1はまだMSでもサポート状態にあるOSなので、そこへの対応は必要であると思うのだが、その点は強いマイナス評価点である。

MASTER/Anywhere比較

二つのMXを比較して、ボタン数の違いで割り当てられるコマンドや操作感の違いは生じてくると思うのであるが、どちらが良いのかとは一概には言えない。
MASTERは重厚感もあるが使いやすく、デスクトップでの作業に最適である。かといって、Anywhereがデスクトップ作業に向かないかというと、そういうこともない。
手へのフィット感は両方とも好みであり、自分としてはどちらも丁度良い。MASTERが大きすぎて扱いづらいというものでもなく、Anywhereが小さすぎるということもない。

2Sの時代から使い比べた感じでは、マウスの可動領域を広く取れる場合はMASTERで問題なく、それが狭い場合はAnywhereのほうが良い。Anywhereのほうが動かしやすいので、狭い領域内でマウスを自由に操作するのに適している。狭い領域で大きなマウスを使うのは少々難があるということで、これはMXマウスに限った話ではないのかも知れない。