自分がブログを始めた2003年頃より以前は、皆ホームページ作成のためにFTPでサーバに接続して作成したファイルをアップロードするという手順や、詳細度の違いはあってもそれなりにHTMLの知識もあったりしたので、ブログのシステムを扱うハードルは相対的に低かったのではないかと思う。
ところが今は、そのような知識は何もなくてもSNSは始められるし、その後ブログのサービスも一般化したので、自分でレンタルしたサーバを操作して作業をするようなことは、特別自分でそうしたいと思わない限りは必要がない状態になっている。
つまり、これからブログを始めようとする初心者が、ある程度の知識が必要なWordPressを簡単に使いこなせるかというと、それには及ばないのではないかと思っている。
以前のレンタルサーバの頃では、当時のブログツール、Movable Typeなどは自分でインストールして、MySQLのデータベースも構築してそれが使えるように設定してやる必要があった。無論、自分もそんなに詳しいわけではないが、説明しているサイトや入門書の類いがそれなりに多数あったし、レンタルサーバの事業者側でもそういうインストール作業の方法を紹介してくれていたりしたので、そういうものを参照しながら初期設定に至ることができていた。
今は更に、自動インストール機能も付加されていて、クリック一つで初期設定に至ることができるのであるが、もっと、それ以前の問題で、レンタルサーバとはどういうもので、インターネットの中でどういう位置づけなのかという基礎的な事項の知識は必要なのである。サイトの管理、WordPressの管理、すなわちセキュリティの設定やバックアップなど覚えておくべきことと管理のためにしなければならないことはそれなりに多い。
レンタルサーバは、月額数百円程度の費用も必要であるわけで、それだけの負担をしてまで、あえて自分でWordPressのサイトを作ってみようという人は、初心者の範疇ではそんなに多いというわけではないと思っている。
知識の習得に苦労をしなくても、申し込めば無料でブログサイトが作れるサービスは多数あるのだ。
ただし、自分で自由にカスタマイズして作るということの充実感とか満足感はある。サービス利用の場合も、ある程度自由にできる部分は多いとしても、多くのサービスでは広告やサービスのクレジットが表示されたりするので、僅かながらも第三者の介入があるようで気分が悪いと感じる人が少なくない。
自分もそういう観点で、結局はWordPressでやってみることにしたのである。各種のサービスで、なるべく無料でできないものかと探してみたが、なかなかそういうものがない。Bloggerなどのサービスもあるが、なんとなく感覚が異なって、これまでもやってきたことがあるものの長続きはしていない。
少し費用と手間はかかるのが問題ではあるが、WordPressは利用者が多いので情報も多量で、それが始めるきっかけにもなったのである。きちんと管理を続けていけるのか、構築作業が面倒に思うようにならないかと危惧するところはあるが、Movable Typeの頃とは違っている部分も多いので、それに期待もしてみるのである。