SSDとハイバネーション

数年前、SSDを搭載したWin 7のVAIOを使い始めてから、ハイバネーション、つまり休止状態の保存用のファイルを作成しないように設定し、休止状態を無効にしている。
これはつまり、SSDへの対策の一つとして、ハイバネーションファイルで搭載メモリと同じくらいの容量だけ使われてしまうのを防ぐためであった。SSDはまだHDDと比較すると高価であるために容量は少なく、そういう状態でそれだけの量のファイルで占有されてしまうと空き容量に影響するという考え。空き容量が少ないとSSDでは書き換えエラー訂正領域のストックのようなものも減るとかなんとかというのを聞いたことがあるような気もして、とにかくそれをオフにして休止状態を使わない設定としている。
このたび、新機のSSDの調子が悪いことで、どうせ壊れるならそんなところは気にせずどういう機能なのか使ってみるのも悪くないと思い立ち、試しに無効にしていた機能を有効に戻してみた。
管理者用のコマンドプロンプトから「powercfg /h on」でまた有効にする。
有効にすると、無論休止状態やハイブリッドスリープ、高速スタートアップが使えるようになるが、自分の環境では10GBほどの巨大なファイルが作成されてしまう。全体の容量が128GBで10GBもというのは結構比率が大きい。それでも、使っていない領域も結構あって、今後もそんなにたくさんは使わないだろうから、まあそのくらいの余裕を使っても良いのではないかと思う。
ただ、このハイバネーションファイルのサイズは少し制限することができるようで、それは同様にコマンドプロンプトで「powercfg /h /size NN」とする。NNはパーセンテージで、50～100までの値を指定できるとのこと。デフォルトの状態では無論100％相当である。通常起動時のメモリの使用量からして、搭載している12GB分までフルに使うことはまずなく、通常使っても2～4GB程度であるので、そこのところの設定を最小限の50パーセントにしてみる。確認するとサイズが6GBくらいに減っていて、まあこれならとりあえず大丈夫だろうと。
さて、そんなことでとりあえず当面は休止状態などが使える状態になったところ。
これまで、通常使うのはシャットダウンとスリープだけだと思って他の動作状態を気にすることが無かったので、改めて調べてみた。
Windows 8.1の電源管理は単純ではない。
「シャットダウン」は文字通りシャットダウンなのだが、ハイバネーションが有効になっていて、高速スタートアップも有効になっている場合は、以前のOSの休止状態に近いような、起動状態をハイバネーションファイルに保存しつつシャットダウンする。何を言っているか自分でもよくわからないが、次に高速起動ができるように、完全にシャットダウンするわけではないらしいのである。通常、シャットダウンを選択すると高速スタートアップ用のシャットダウン状態になるとのこと。
高速スタートアップ用でないこれまでのシャットダウンをするためには、幾つか方法があるようだが、Shiftキーを押下しながら「再起動」をクリックして、しばらくして表示されるメニューから電源を切るオプションを選択すると完全シャットダウンができる。無論、ハイバネーションが無効になっている場合についても完全シャットダウン状態である。
「再起動」もこれも文字通り再起動だが、この再起動では常に一度完全シャットダウンをしてからコールドブートするそうだ。完全シャットダウンはできるが再起動のメニューなので結局完全シャットダウン状態で電源を切ることはできない。
「スリープ」は、電源オプションのところの設定でハイブリッドスリープを有効にしておくと、スリープ操作でハイブリッドスリープになる。これは、休止状態のように作業状態をハイバネーションファイルに保存しつつスリープ状態にすることが出来るモードのようで、バッテリーが消耗してしまってスリープ状態が維持できなくなってもハイバネーションファイルに状態が保存してあるので次の起動時は問題なくそこから起動できるというもの。バッテリーを少ない容量でスリープさせる時に役立つだろうと思う。
だいたいそんなところで、設定を変更して試してみたところ、高速スタートアップ用のシャットダウンは、スタートアップ自体はそんなに速度が変わらないと思えるが、シャットダウンに至る時間は高速になったと思う。
ハイブリッドスリープに関しては、基本的にはスリープなので特に動作上の差違は無い。
そもそもSSDなので読み書きが高速であるから違いがわからないかもしれないが、とにかくそういう機能がサポートされているのだから、当面はどういう電源の切り方が一番自分の使用法では良いのかと考えてみることにする。
この電源の切り方で、今後SSDのエラー部分を完全無視して封じ込めてくれて、そういうおかしな所が何も無かったという状態に戻ることを期待しているが。